第218話
芽衣はいつもと変わらず私と接してくれる。席が前と後ろだから時々、手と手が触れ合ってしまう度にドキドキ感がヤバい。
はぁ、でも疲れる。私は何をしているんだろうって思いと、あの時の判断は後悔していないと言う2つの感情で頭が痛い。
ダメだ、、辛すぎる。私はお弁当を食べたあと頭を休めるため教室を出た。
しんどい、しんどすぎて生徒会室に行きソファに横たわる。そう言えば、前は生徒会室に来たとき芽衣が追いかけて来たな。
でも、今回はあり得ない。ため息を吐きながら、私は携帯でインスタを開く。
昨日、芽衣だったらいいなと思いながらmさんにコメントをした。あっ、mさんのインスタに新しい写真がアップされてて、、見たことのある景色が映っていた。
これって、学校の近くだよね。微かに映っている建物は学校の通り道にあるものだ。
もしかして、本当に芽衣なの?でも、違ったら嫌だし…芽衣にインスタやってる?なんて聞けない。私に聞く資格なんていい。
早く目標額までお金を貯めないと、、目標金額は5万だけど出来れば多めに稼ぎたい。プレゼント代の他に食事代も貯めたいし。
好きなのに距離を置くって辛い。あの喧嘩さえ無ければって思うけど、いつかは大喧嘩をしていたと思う。
筒井君の存在は私にとっては恐怖で、全ての男性の存在も怖い。私にとってはライバルが多すぎて嫌になる。
何でこんなにも可愛い子に出逢っちゃったのかな。芽衣の可愛さは罪だよ。犯罪だよ。
あっ、そろそろ戻らないと。昼休みが終わってしまう。制服が捲れてないからチェックしながらドアを開けるとごんちゃんがいた。
顔が怒ってる…腕を叩かれ、芽衣を置いていくなと怒られた。
そうだよね。ごんちゃんにはまだ芽衣と距離を置いたことを言っていない。
でも、言いたくなかった。理由を問われると思うし…きっと馬鹿なの?って言われるの分かっているから。
そんなの一番、自分が分かってるよ、、
「芽衣と喧嘩したの?」
「した、、」
「まだ仲直りしてないんだ」
芽衣と喧嘩をし仲直りはしたけど、距離を置いたことにより私はジレンマに陥っている。
私が悪いと分かっているけど、、まだダメだ。まだダメなんだ。
「早く仲直りしなよ。芽衣、寂しそうな顔してたよ」
「ごめん…」
「私に謝るんじゃなくて、芽衣に謝れ」
芽衣に会えるのは嬉しいけど辛い。周りに気を使わせてしまうし、私のせいで芽衣が悲しい顔をする。
思わずため息をついてしまった。お陰で私さはごんちゃんに頭を叩かれて痛いよ、、
「早く仲直りしろ!あの男に取られるよ!」
「・・・分かってる」
ごんちゃんも筒井君の存在を知ってるのか。そっか、、このままいくと2人はお似合いのカップルとか言われそうだ。
隠さなくていい関係が羨ましい。うぅ、痛い。今度は頬をつねられた。力が強いよ。
教室に戻ると芽衣が机に頭を乗せ寝ている。椅子に座り、ごんちゃんがジェスチャーで何かしろと急かすから芽衣の頭を撫でた。
久しぶりの芽衣の体温。暖かいな、髪も柔らかくて手を離すのが嫌になる。
「水希、、」
「あっ、ごめん」
しまった、芽衣が起きてしまった。慌てて手を退けると寂しそうな顔をされる。
芽衣の顔を見るのが辛くて思わず顔を背けてしまう。これじゃまた、ごんちゃんに怒られちゃうよ。
でも、、でもって言い訳ばかりだけど許して欲しい。今は言い訳しかできない。
今日は久しぶりの部活だ。思いっきり走れるからめちゃくちゃ疲れるまで走りたい。
私が体調を崩しまくったせいで、全然部活に出れなかったしひかる達に心配させて迷惑かけてしまった。
久しぶりに会ったひかるは優しく微笑んでくれて無理しちゃダメだよと嗜められた。
さわちんには体を鍛えるよってランニングに連れて行かれた。いつもだったら、そんなこと言わないのに珍しい。
「水希、芽衣と何かあったの?」
「何で…?」
「水希と芽衣の顔が暗いから」
「喧嘩した…」
「あの男子のせい?」
「まぁ、半分は、、」
私はさわちんに早く仲直りしろって言われると思っていた。でも、さわちんは暗い顔しながら私も暫くは無理だと言う。
「もし未来と水希がイチャイチャしても相手が水希だったら絶対に負けないけど、異性だとキツい。めちゃくちゃ悔しいけど、、」
「そうなんだ…」
「もし未来が男の人と一緒に歩いてるのを見たら耐えられないと思う。友達かもしれないと思うけど、私は男女の友情は存在しないと思ってるし。それにあの男子は、、芽衣に告白した相手って知ってるから無理だな」
「無理だったよ…受け入れられる大きな器を持ってなかった」
あっ、さわちんが私の背中を軽く叩き「ゆっくりでいいよ」って言ってくれた。
さわちんのお陰で心が軽くなった。でも、すぐに私の心は重くなる。筒井君が私達の高校の方に歩いていくのを見てしまった。
もしかして芽衣に会うつもりなのかな?すれ違うように私は高校から離れていく。
さわちんも気づいたみたい。眉間にシワが寄ってる。キツいな、かなりキツい。
恋愛に邪魔が入るのはドラマだけでいい。リアルで起こったら苦しくて耐えられない。
あんなにハラハラドキドキで見ていた三角関係の恋愛ドラマが苦手になりそうだ。
くそ、くそ、くそ!どんどん言葉遣いが悪くなる。ふざけんなよ!何で何度も芽衣に付き纏うの!いい加減、諦めろよ!
それとも、、芽衣が私に嘘をついたの?本当は内緒で付き合おうとしてるの?
あー!恋愛が面倒くさい、超面倒くさい!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます