第166話
さわちんに一言言いたい。女の子の体はデリケートで柔らかくて繊細なの。自分も女だから分かるでしょ。
だから、大事に接しないといけないし触れないといけない。芽衣やお姉ちゃんは…私にお仕置きと言う暴力を振るってくるけどね!
好きな女の子には常に笑っていてほしい。私が芽衣にいつも思っていることだけど、泣かせてしまうからなかなか思い通りにいかない。
さわちんもこんな感じなのかな?恋って難しくて、好きゆえに思いが上手く伝わらなかったり、重くなってしまう。
「未来、水希ちゃん、ご飯できたよー」
「あっ、はい」
「水希ちゃん、聞いてくれてありがとう」
心の傷は少しずつ癒して、治していくしかない。さわちんは当分お預けだね。
抱く側は抱かれる側の気持ちを常に考えないといけないって、後でLINEをしたいけど、、未来ちゃんに相談受けたことは言わない方がいいよね…ショック受けそうだし。
あー、難しい!デリケートな問題だから、めちゃくちゃ難しい。これが芽衣だったら上手く相談に乗れていたのかな?でも、きっと、未来ちゃんは彼氏側の私の意見が聞きたかったのかなって思っている。
毎日キスか…好きだからしたいと思うけど、その日その日の瞬間的なタイミングなどでするから気持ちも上がるし余韻が生まれる。
毎日だと強制的な日課になってしまうし、気分でしたくない日もあると思うから、、
「未来ちゃん、自分の気持ち我慢しなくていいからね」
「うん…」
「きっと、さわちんは分かってくれるよ」
「ありがとう、水希ちゃんに相談してよかった」
恋人同士の問題は当人同士で解決していくしかない。問題を乗り越えて人は成長をする。ただ、乗り越えるのに時間がかかる。
でも、本人達の頑張り次第でもあるし、2人の愛があれば乗り越えられるはずなんだけど私達はまだ16歳だ。高校生になったばっかりでやっと大人への階段に足を踏み入れた。
私は2人の恋を見守りたいだけなのにさわちんは私を拒絶する。何で、そんなに敵視するの?私には芽衣がいる。私達がラブラブなの知ってるでしょ?
そんな私達の間に挟まれた未来ちゃんが可哀想だよ。何で、そんなに慌てるの?片方が急いだら相手は息切れしちゃうよ。
私は家に帰ってからさわちんとのLINEを開いた。もうね、、支離滅裂だよ。気持ちは分かるけど、私のことなんだと思っているんだ。
私も悪いけどさ、、何もそんなに怒んなくてもいいじゃん。何で私と未来ちゃんが一緒にいたか未来ちゃんから聞いたみたいだけど、ムカつくとか未来に手を出すな!とか結構酷いことが書かれていた。
はぁ、、ため息しか出ない。私は一言〈今日のことはごめん〉って送った。でも、さわちんからは返事が返って来なかった。
気が重いよ、さわちんを怒らせてしまった。私も子供じみたことをしたなって思っているけど、何度もバカーって書かれたら仕返ししたくなるよ。
もし、クリスマスに2人が結ばれていたら違ったのかな?芽衣も私と結ばれて心に余裕が出てきたって言ってたし。
体の関係が全てじゃないけど、少しは安心できたのかもしれない。それに、心が満たされる。プラトニックにはない愛の形がある。
でも、今日の様子では未来ちゃん無理そうだし暫くは時間が掛かる。それをさわちんがどれくらい我慢できるか、、頑張れしか言えないよ。
私だって3ヶ月我慢したんだ。だから大丈夫だよね。愛を育むのは1人では出来ない。双方の気持ちの合致が必要なんだ。
「水希、もうご飯たべた?」
「食べたよ、芽衣は?」
「食べた。あとはお風呂に入って寝るだけ」
「そっか、私もお風呂に入らなきゃ」
「早く会いたいな」
「会いたいよー、先が長い、、」
電話越しだけど、芽衣の声を聞くと癒される。今日のことがあって余計に芽衣に会いたい。
私は今もこうやって我慢している。恋愛には我慢も必要だって分かってるし、その分我慢を乗り越えた先の愛が大きい。芽衣に会ったら思いっきり抱きしめるって決めてる。
お風呂に入ったあと芽衣を思いながら、私は目を瞑った。芽衣の顔が浮かび幸せな気持ちになる。実際の恋愛は漫画みたいなロマティックな恋なんてないけど、好きな人過ごせることが何よりの幸せだ。
あと少し、あと少し我慢すれば芽衣に会える。芽衣に貰ったマフラーを抱き枕のように抱きしめながら眠りについた。
明日は大晦日。芽衣、高校卒業したら一緒に過ごせるようになるかな?芽衣に会えない日を乗り越えるために強くなるね。だから、会えたらいっぱい愛を頂戴。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます