第165話
私は動物に気に入られるタイプだ。前、芽衣に言ったら水希もワンコだからと言われた。それって、同族だからって意味なの?
まぁ、それは置いといて私はかなり未来ちゃんのお婆ちゃんに気に入られた。
そろそろ帰ろうと思っているけど、話が盛り上がるし未来ちゃんの両親が出先から帰ってきて挨拶したのはいいけど、みんなが話し始め余計に帰り辛くなってきた。
私はどのタイミングで帰ればいいのかな?
「水希ちゃん、夕ご飯食べて行かない?」
「えっ…でも、せっかくの家族団欒なのに」
「お母さんが喜ぶから」
「分かりました、ありがとうございます」
まさかこんな展開になるなんて、あっ、お母さんに夕飯いらないってメールしなきゃ。
うん?あっ!さわちんのこと忘れてた。うわぁ…LINEが大変なことになってる。
今どこにいるの!とか返事しろとか、、すっかり忘れた。えー、説明するの面倒い。
何を言っても怒りそうだし、さわちんは私に対して過剰反応するから…やだ!
あっ、未来ちゃんの方にもさわちんからLINEが来てるみたい。携帯を見ながら苦笑いしてる。どんな内容を送ったのかな?どうせ、私の悪口だと思うけどね!
「あっ」
「水希ちゃん、どうしたの?」
「あっ、いや…ネックレスが見えて」
「爽子から貰ったの」
「そっか、似合ってる」
「へへ、ありがとう///」
さわちん、頑張ったね。このネックレスはきっと高いよ。私もお店で散々悩んで選んだし、少しでも高いやつを送りたいよね。
家に帰ったら、一応説明して納得しなかったら放置しよう。きっと、一度では納得しないだろうし。
「水希ちゃん、何か飲む?」
「じゃ、お茶のお代わりいい?」
「うん。分かった」
「未来ちゃん、やっと敬語やめてくれたね」
「あっ、本当だ///。いつのまにか、、」
「嬉しいよ、ずっと敬語って寂しいもん」
今日で未来ちゃんとの距離がぐっと近くなった。やっぱり同じ歳だし、敬語で話さられると距離を感じるから嬉しい。
お婆ちゃんも「水希ちゃん」って呼んでくれて嬉しいし、未来ちゃんもご両親もニコニコしている。
何だろ…この感覚、マスオさんの気分だ。婿入りした感覚。未来ちゃんにはさわちんと言う恋人がいるのに、私がこんなに仲良くなってもいいなかな?芽衣に怒られないよね…
お姉ちゃんからは確実に怒られそうだから黙っておこう、チョップされたくない。
「あっ、あの、、水希ちゃん。ちょっといい?」
「未来ちゃん、何〜?」
「ごめん、ちょっと向こうで」
何だろう、急に真剣な顔をするからビックリしてしまう。私は未来ちゃんに座敷の部屋に連れて来られた。
どうしたんだろうって思っていると、悩みがあるみたいで、、相談に乗ってほしいと言われた。
「あのね…キスって毎日するものなの?」
「えっ?それは、、個人差があるかな」
「そうなんだ…」
「まだ、毎日なの?」
「冬休みに入るまでは…流石に今日とかは出来ないし」
うーん、これって、、未来ちゃん、困ってるよね。毎日したい気持ちは分かるけど、未来ちゃん的には戸惑いが強いのかな。
私と芽衣は付き合って、まぁ…色々あったから毎日はしてないし、何となくキスのタイミングかなって思う時にしている。
さわちん、未来ちゃんへの愛が強すぎて一度暴走してるし、、難しい。この手の話は当人同士が話し合った方がいいし、私もどんなアドバイスしたらいいのか悩む。
このままいくとエッチも、、流石に抱かれる側はキツいし、ダメだと思うけどさわちんにアドバイスしずらい。
「戸惑うよね」
「うん…付き合った日にキスされて、、それから毎日だったから」
「凄いな…」
「ごめんね、急にこんなこと聞いて…」
「気にしないで、相談だったらいつでも乗るよ」
これは難しい案件だ。未来ちゃんが拒んだらさわちんは傷つくし、、2人はちゃんと好き同士なのに進みたいスピードが違うから片方は戸惑ってしまう。
未来ちゃんはゆっくり進みたかったんだね。だったら、付き合った初日にキスされてビックリしただろうな。
「一度、さわちんにゆっくり進みたいって言ってみるのはどうかな?」
「うん、、」
「さわちんに申し訳ない?」
「クリスマス…我慢させたから」
「えっ!マジ?」
「あっ///、あの…」
さんちん、我慢よく出来たね。だって、前の日にLINEが来ていたからてっきり狼になっていたと思っていた。
そっか、、まだ未来ちゃん的にはあの日のことが引っかかっているのか。
抱かれる側は一度でも乱暴的な体験してしまうと怖いよね。いくら愛があっても痛いのは嫌だし、無理やり感が出てしまう。
あの時のこと、さわちんはめちゃくちゃ反省はしていたけどこれから大変そうだ。
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