第3話 逃亡

「やつを捕らえろ!」


「くそ、どこいきやがった!」


 なぜこうなってしまったのだろうか。


 まぁ、分かっちゃいるんだよ分かっちゃ〜ね。


 あれ?今思ったけど殺した理由しょうもなくね?殺さず我慢していれば、こんなことにならなかったのだろうか。


 俺は逃げ隠れしながらそんなことを考え、殺した王様を振り返る。


 うん、やっぱり無理だわ殺すわ〜。


「よし、逃げつつ憧れた冒険にでるか」


 王様に投げた短剣は回収する暇が無かったので武器はない。


 戦闘を避けてなんとかこの帝都を抜け出す決意を俺は新たにした。


 抜け出すにはどうすればと考える。


 そこで俺はいったん抜け道やここを抜け出す何かを探すことにした。


 逃げに逃げて、気がつけばもう夜。


 俺は流石に疲れて、精神的にもきているものがある。


 人を殺すということに罪悪感がなかったわけではない。


 ただゲームだからと理由をつけて、俺はもう手を血で染めてしまった。


 あ〜、あんなことで殺すんじゃなかったなんて、今更なことを考えつつ王様のことを思い出すと殺してよかったのでは、と思う自分がいて怖い。


 そんなグチャグチャな精神な中、朝になってお腹が空き始めた時に、一人の頭に2本の角を生やした女の子を発見する。


 その少女は自分で作ったのか、帝都の端の城壁に穴を作っていて、それを無かったかのようにこっそり隠し、その場をさろうとしていた。


 そこで俺は声をかける。


「なぁ、君。その穴どうするの?」


「え?、

 

 私もここから抜け出すのあなたも来る?」


「いいのか?」


「ええ、今夜に決行するの」


 小学6年生くらいの背の女の子がなぜ帝都をこっそりと出ないといけないのかは分からないが、俺は聞かずに便乗することにした。


 こうして、夜まで何とか騎士たちから逃げ続け待ち、その女の子と逃走したのであった。














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