難しい中華を上手に料理

まず構成については読みやすさの点に置いて優れていて次の話を手に取りやすい作りとなっている
ウェブ小説系でありがちな主人公視点に終始するやり方ではなく、客観的に上手く描写していて好感が持てた
キャラ付けがしっかりしていて誰がどのセリフを喋っているのかわかりやすい 意外とこの概念は大切で事前事後の説明文(例:と、〇〇が言った)がなくてもキャラ付けがあれば誰のセリフか分かる
アイシャのキャラが好き

そして内容は中国の世界観で終始する
中華が舞台の物語はあまり見たことがなく、中国が舞台と言われると学生時代に習った山月記や、三国志、水滸伝などの古典的文化がまず浮かぶ
その中でもこの作品は中華という文化の沼地であるものに果敢にチャレンジし、それを上手に料理している

日本や中世ヨーロッパ(正確にはルネサンス時代であろう)風異世界がモデルの作品は数多くあるが、このピンポイントを突く作品は、今からこの作品を手に取ろうとするあなたの期待を裏切らないと言えるだろう