第2話 チャンスの神様2
――チャンスの神様、来年はハゲないでくださいよ
――天使君、応援してる球団が負けたからと言って僕のせいじゃないでしょ。そんなにジト目で見るなよー。わかったよ、こんどから、抜けないように、ハゲザンス部分装着すればいいんでしょ
――チャンスの神様、ハゲザンスってなんですか
――天使君、君ハゲザンス知らないの? テレビで宣伝してる取れないカツラ
――チャンスの神様、テレビで宣伝してるのはアデラ〇スでしょ。ハゲザンスはアデラ〇スのパチもんですよ。そんなんだから、僕の推し球団が3年もリーグ優勝さえできなかったんですよ
――ええっ! 知んなかった。それじゃ、僕は騙されてたの?
――そんなの僕は知りませんよ。ちゃんとこんどからアデラ〇スにして下さいね
――えへへへ。チャンスの神様のおかげで、今年は赤帽子軍団、リーグ優勝出来ました。ありがとうございます。日本シリーズが終るまでアデラン〇着けててくださいよ
――ここのところ着けてるところがちょっとかゆくなってきたんだよねー。でも天使君の頼みだから仕方ない、ちゃんと着けとくよ
両チーム3勝3敗で迎えた日本シリーズ第7戦。この試合に勝ったチームが日本一に輝くわけである。そして迎えた9回裏、得点は4対3、先攻の赤帽子軍団の1点のリード。ツーアウト2、3塁。逆転サヨナラの大ピンチ。カウントはツーストライク、ノーボール
「工夏、セットポジションから第4球、投げた。…バッター空振り。赤帽子軍団、日本一。工夏良く抑えました」
――チャンスの神様、おかげさまで赤帽子軍団、日本一です。ありがとうございます
――天使君、今のは、僕のおかげじゃないよ。今のはピンチの神様。彼女も最近薄毛を心配してたんだよね。だから、君のお勧めのアデラ〇スを僕から進めてみたのさ。それで、天使君のためにピンチの神様が何とかしてくれたんだと思うよ
――そうだったんですか。こんどお礼しときますね
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