信長様の茶器を求めて

三題噺:「夜空」「蜃気楼」「ヤカン」 ジャンル「時代小説」


「茶器」

「茶器…」

「うむ。茶器を集めるのじゃ」


信長様は茶器集めにハマっている。


「茶をたてる時には蜃気楼が立ち、茶器の中には夜空が広がっておる」

「流石信長様、お目が高い!」


茶器に関してはヨイショしておけば間違いがない。

いや、お目が高いのは本当のことではある。


「ヤカンはいかがなさいますか? 新調致しますか?」

「ヤカン?」

「薬缶……湯沸かしですな」

「おう、湯沸かしは良いものがある。買い付けの役目を与えてやろう」

「はは、どこへなりとも」


茶器を集める。

これが、天下の信長様に仕える私の人生である。

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