禁断の果実と戦争の歴史
三題噺:「戦争」「リンゴ」「ゆがんだかけら」ジャンル「学園モノ」
アダムとイヴは、蛇にそそのかされてリンゴの実を食べちゃったでしょ?
そして得たのが羞恥心。
この羞恥心こそ、すべての元凶だと思わない?
いろんな事を恥ずかしいと思い始めたから、隠そうとする。隠せば暴きたくなる。そうして戦争って始まったんじゃないかな。
そう言いながら、本を棚に戻す綺に、夏姫は首を傾げた。
この人、なに言ってんだろう?
「でも先輩、それだけだと原因としては足りなくないですか?」
「そうかしら?」
サラサラの前下がりボブを揺らし、綺は夏姫の方へと向き直る。
「神話なんて歪んだかけらばっかりよ。矛盾しかないもの」
図書館にいる綺は、なんとはなしに神秘的だ。その綺に言われると、そうかもと思ってしまうような魅力がある。
この人、本当に高校生なのかななど、夏姫はしょうもない事を考えてしまった。
「神話を次回のお題に選んだのは夏姫ちゃんなんだから、頑張って書くのよ?」
首を少し傾げてにっこりと笑った文芸部部長の綺に、夏姫はああ神話なんてやめとけば良かったと首をすくめた。
でも、もう遅い。
「はぁーい、がんばりまーす…」
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