着任!そして種を撒く
辞令が下りて私は事務局に呼び出された。
「こちらが『世界樹の種』になります。この種の植え付けが貴女の最初の仕事となります」
事務官から説明を受け私は頷いた。
「草や木も生えていない出来たばかりの世界です。色々危険もあるかもしれませんが頑張ってください」
「私は自分の出来る事をやるだけです」
種を受け取り転送魔方陣の上に立った。
魔方陣が紫色に輝き私の体を包み眩い光が視界を遮る。
そして、次に見えた光景は······、
「······本当に何も無いのね」
見渡す限りの大地でした。
確かに草も木も生えていないし地面なんて水気なんて無くてひび割れている。
まさに出来たばかりの世界だ。
「まずは世界樹の種を植えないといけないわね」
世界樹は世界の中心となる大事な樹だ。
場所選びも重要となってくるんだけど······、
「荒れ地しかないし、どこに植えても同じだし問題無いでしょ」
私は転送された場所の土を掘り世界樹の種を植えた。
「さて、水やりをしないといけないわね、水源を探さないといけないんだけど、見つかるまでは聖水で繋ぎましょう」
植えた種の上から聖水をかけた。
聖水は成長率が高いのですぐに大きくなっていくだろう。
「さて、家を建てないといけないんだけど······」
女神と言えば豪華な神殿のイメージがあると思うけどそれが出来るのは優秀な女神だけで私みたいな落ちこぼれ女神は自分で住む所を作らないといけない。
天界に家はあるんだけど、引き払って荷物は持って来ている。
という訳で暫くはテント暮らしだ。
何せ家を建てる材料も無い状態だ。
世界樹が育てば恩恵で木や草も生えてくるし水も湧く。
「暫くは我慢するしかないわね······」
テントの中で一人呟きながら私は床についた。
駄女神ルティアの異世界開拓記 こうじ @hirasaku37
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