14.サルスベリ

夏になると、綺麗な花を咲かせる木があった。

ひらひらと縮れた花弁の、鮮やかで情熱的な紅色。

それを手にしたくて、木に登って取ろうとしたっけ。

「あんなつるつるした木なんて、登れっこ無いよ。」

通りすがりの誰かが言った通りだ。

サルスベリの木肌は、他の木と違ってつるつるしている。

幹の肥大成長に伴って、古い樹皮が落ちるからなのだとか。

他の誰かは、フリルドレスを着た美女の様だと言っていた。

「伝説に書かれた恋人とは氣の強い女だったのだろうな…」

この花の似合う男とは、どんな男だっただろうか。

強くなりたい。

「…っし、とれた!」

友達が1人、また1人と脱落していく中、

僕はようやくその今にも砕け散ってしまいそうな花を手にした。

「其の花は君によく似合うな。」

その時、木の下から声が掛かった。

この辺りでは見ない男性だった。

それもそうだ、その人は国権の一部。

「百の弁より一の行動。わたしも百日紅の言葉を信じよう。」

彼の目に留まった僕は、王国を支える審判Arbiterとなった。

今は国の期待に沿う事と格好いい男を目指して、羽根の生えたお馬さん《Pegasus》に乗馬チャレンジしている。

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サルスベリを食べるとは聞かないが、あの白にピンクに赤はなんだか涼しげですね。独特の花の形がそう感じさせるのでしょうか?

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参考ホームページ

https://iwalkedblog.com/?p=11107

花言葉は「雄弁」「貴方を信じる」を採用しました。

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CAST

●アービター・サキエル

●アービターマスター・ハイランド

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