13.トマト「或る遺伝子の旅路」

トマトの名産地へ、見学に行った。

緑色の宇宙に、星の如き暖色が浮かび上がる。

実の大きさは掌大から爪程の大きさまで。形は見慣れた球や楕円形に、UFOの様な平べったいものまで。

千差万別、トマトの博覧会だ!

「その昔、トマトとは山に生えるもので、草勢も棘も強く、しかし実の大きさはマイクロサイズで、酸っぱくて食べられた物ではなかったそうです。」

少女が色彩豊かなトマト達を見ていると、遠くから声が聞こえてくる。

「それを人間が、色々なトマト達を交配させて、美味しく日持ちのするトマトを産み出したそうです。今では世界各国で見られるのではないでしょうか。」

「じゃあ、トマトは人と一緒にいっぱい旅して来たんだね!」

「そうですね。本当に様々な品種がありますから。」

今日もあの子は御飯を作る。

サラダの彩りにスムージーの中身、主菜の脇役にソースの素。

トマトは今や、人間の食生活に欠かせない存在ものとなっていた。

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教育にも料理にも、露地栽培にも水耕栽培にも、世界の全てに関わっているとも言えるかもしれない植物。wikipediaによると「ナス科のモデル植物」という事で、このタイトル、あながち間違っちゃあいないかもしれません。

※このお話はnote投稿コンテスト「旅する日本語展二〇十九年;六月柿」に投稿しました。

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CAST

・ヴァルトリピカのユリ

・ミショウのアオイ

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