137

「これから先も、ずっと一緒にいたい」


「当たり前だろ。ずっと一緒にいるよ」


「ずっと浮気しない?」


「誰が?」


「創ちゃんが」


「俺が? 礼奈以外の女子なんて興味ないよ。礼奈こそ、最近モテすぎて心配だよ。俺は全然かわらないのに、どんどん綺麗になるんだから」


「創ちゃんの目も鼻も口も、全部全部大好き。礼奈は創ちゃんしか好きにならない」


「そう断言できる?」


「うん。運命の赤い糸で固結びしてるから、お兄ちゃんにも解けないよ」


「固結びか……」


 俺は隣に座っていた礼奈の頭を、くしゃくしゃって撫でた。礼奈は俺を見上げ、顔をくしゃくしゃにして笑った。


「創ちゃん、オレンジジュース飲む?」


 俺を見上げる可愛い瞳。


「間接キッスだな。いただきまーす」


 俺は缶ジュースを一口含む。


「間接キッスも楽しいね」


 礼奈は俺の頬にチュッてキスをすると、ベンチから立ち上がり手を差し出した。


 俺はその手をしっかりと握る。


 俺の無邪気なお姫様。

 これから先もずっと、俺をドキドキさせて。


 真夏の太陽にも負けない、熱い情熱。

 

 大好きな彼女の可愛い誘惑に困っています。


 ……と、見せかけて本当はサイコーに幸せ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る