【9】お姫様と幸せな時間
鉄の掟は破るためにあるのです。
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【創side】
「なぁ、創。キャンプ行かね?」
大学のカフェテラス。
例の如く、敏樹の一声で俺の妄想は動き出す。
「明日から夏休みだし、今年は山にしようしようぜ?」
「山か……?」
「おう。今年は山だ」
なーんだ、礼奈の水着姿が見れないだろう。それ、超退屈。
「キャンプ場の近くに、屋内プールがあるんだよ。山もプールも満喫出来るんだ」
「うわ、屋内プール!? 行く行く」
「じゃあ、いつものメンバーで。俺と美貴と、良介と妃乃。創と礼奈はオマケな」
「ぐっ……俺達はオマケかよ。敏樹、テントは三つ用意しろよ」
「三つ? なんでだ? 荷物増やしたくねーよ。男用と女用、二つで足りるだろ」
「あほ、お前と良介が二つとも占領するだろ。俺と礼奈は野宿かよ。熊に襲われたらどうすんだよ」
「お前らはオマケだからな。狭いテントで二人きりにしたら、お前が熊になっちまうだろ。それに俺の両親がそんなこと許さねーよ」
「お前も同じだろ」
「俺達は大学生同士。礼奈はまだ女子高生。下心があるなら、尚更、テントはナシだな」
くそ、どんなに反対されても、俺は絶対にテントを持って行くからな。俺と礼奈専用のテントだ。
ビデオ店でバイトして貯金もできた。
テントくらい、自腹で買ってやる。
◇
―キャンプ当日―
首都高速を走ること二時間。車中はいつもながら賑やかだ。
「みんなでキャンプなんて嬉しいな。ねーねー、創ちゃん自分でテント買ったんだって? 二人とももう深い関係なんだ。礼奈ちゃんも花の女子高生だし、当然だよね」
妃乃ちゃんは相変わらず空気が読めない。しかも山でキャンプするのに、今日も露出度が多いキャミソールだ。
よほど、やぶ蚊に献血したいらしい。
惜し気もなく曝す豊満なバストの深い谷間。良介は何度このバストの谷間で遭難したんだろう。
大好きな彼女のバストを、他の男に見られても平気なのかな?
俺なら絶対にNGだ。
礼奈の豊満なバストを、他人に見せるなんてあり得ない。
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