俺の姫が花のJKになりました。
66
―フローラ大学附属高校、入学式―
父兄に混ざり、創ちゃんとお兄ちゃんの姿。
渡り廊下で待機していた私は、背筋をピンと伸ばし会場である講堂に入場する。私は一年A組、同じ公立中学出身の友人、
そしてもう一人……。
「南、宜しくね」
「こちらこそ、宜しくね」
「家族みんなで入学式に来てるんだね。俺の両親は仕事で欠席だよ。南んちは家族の仲がいいんだね。しかも……彼氏まで来てるなんて……」
「あはっ、みんな過保護だから」
確かに高校の入学式に家族全員参加プラス創ちゃんだなんて、嬉しいような恥ずかしいような……。
「ちょっと妬けるな」
「……えっ?」
「大学生の彼氏、南のことがよほど心配なんだね。南は可愛いし気持ちはわかるけど」
「桐生君……」
「俺も南のことが好きだよ。片想いだけどね」
桐生君が耳元で囁いた。
厳粛な入学式だというのに、思わず叫び声を上げそうになった。
カーッと頭に血が昇り、頬は火を吹いたように熱い。『片想い』だなんて、ドキドキするようなことを耳元で言わないで欲しい。
チラッと父兄席に視線を向けると、創ちゃんと目が合った。何事もなかったかのように、「テヘッ」と笑ってみたが、創ちゃんはムッとしている。
もしかして、見てたのかな……。
私もヤキモチ妬きだけど、創ちゃんはもっとヤキモチ妬きだ。
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