第72話
「行くぞ!フレイム・デビル【フレイムバーストイグニッション】」
無数の爆発の集合体が槍のように一直線に浜田に向かっていく。
「キャッツ・マタタビ【猫又尻尾】」
ネーミングセンスがグッと落ちた気がするのは気のせいではないだろうか。名前はともかく、猫の幾千にもわたる尻尾が爆発の集合体を優しくキャッチしながら衝撃を全て吸収していく。
「今度はこっちから行くぜ【猫分身】」
ライガー、豹、猫といった分身を創り出していた。
「やれ。」
「グルアアア!」
ライガーの魔力体は炎を纏った爪を
「グルァァァ!」
豹の魔力体は自分と敵の体感時間を操作しながら牙を
「ふにゃあー。」
猫の魔力体は猫パンチを使い攻撃を仕掛ける。
ドカーン!!
「【スライム分裂】」
しかし、アレンは魔力体をスモークボディとフレアボディのスライムにすることで攻撃を受け流した。だが受け流された攻撃は大地を抉っていた。
「氣を使えるんだ。小手調べはもういいだろう。【ピットミスト】」
スライム達はスモークボディの不純物から様々な金属粉をばら撒く。
「魔力体、【
魔力体は右前足を踏み砂塵を生み出し、金属粉を中和しつつ己が纏う炎を白色に変化させた。
「それは悪手だぞ浜田。」
「それはどうかな。猫の魔力体、【氣砲】」
「ふんにゃあー!!」
白色の炎は温度が高く既に金属粉は爆発を準備をしていたがそれを魔力体が氣の衝撃波によってアレンの元へ吹き飛ばす。
「ふむふむ。【ミラークッキング】」
スライム達は凹型になり金属粉の光と熱エネルギーを反射させ、一部を取り込み残りを浜田に返す。
「むむむ、キャッツ・マタタビ。」
魔力体は浜田の合図に地面をカットし、捲らせ即席の盾にする。
「【業魔・
アレンはスライムを纏わせ金属の鎧を作り上げる。その鎧には関節部に歯車やピストンがあった。
アレンはすぐに自分の後ろを蹴った。その威力はアールブの弓の魔力体倍はあろう威力でとてつもない風圧が起こる。
「グルァ!」
そこには魔力体が居た。魔力体は躱しこそしたがその風圧に吹き飛ばされ木々に叩きつけられる。
「負けないよ。【業魔・怪猫変化】」
猫猫しい衣装に身を纏ったショタ、浜田の姿があった。
正拳突きの10連、そして
それをアレンは手と肘そして膝と脛を器用に使い受け流していく。そして浜田の僅かな隙を見つけ腕もとい筋肉を掴み筋を意図的に痛めさせる。
「グッ、魔力体!」
浜田は服から炎を纏わせる。浜田に火の手がこないようサラシの魔力体は浜田の全身に氣を纏わせる。
「ほほう。」
アレンはすぐに手を離す。
「喝ッ!」
続け様に浜田は火を纏わせたサラシを伸ばして炎を前に放つ。
「ザ●とは違うのだよ。このフレイム・デビルは。」
それをアレンはピストンを動かして凄まじい衝撃波を腕から放った。
「このクソ!」
浜田はアレンの懐に飛び込んで魔力体のサラシで右腕のピストン部分を固定する。
「捕らえたよ。」
「お前がな。【マテリアルブレード鋼】」
アレンは右腕の鎧を着脱し片刃の剣の形状を象るとすかさず退歩して浜田の肩を切りつける。
「まだだ、キャッツ・マタタビ!」
浜田は急に動きを上げカンフーシューズで剣の腹を蹴りつける。その速さは人間レベルを越していた。
(感覚時間の強化か。)
アレンは浜田のやったことを理解するとすぐに対処する。
「【オールレンジ・誘電加熱】」
アレンはγ線を全身から出したビアンカ達には見えていないが浜田とロレンは氣を持って感知をしていた。
「キャッツ・マタタビ最大だ。」
浜田は魔力と氣を圧縮させγ線を弾くまでに高めていく。そしてアレンに特攻を仕掛ける。
手刀による擦るように目潰しにかかり、そのまま鳩尾、金的、後ろに回って骨盤を蹴り上げる。
「流石俺のダチコウだぜ。」
アレンは浜田の鍛錬を賞賛しながらも鎧の歯車を回して運動エネルギーを電気エネルギーにそれから電気エネルギーを用いて空気中の水分を化学変化を起こして電力させ水素と酸素の化学エネルギーとしさらりと無効化する。
「全然余裕じゃねえか。」
「そうでもない。[形状変化・ピストンファイア]」
両甲と両足の鎧を形状変化させ関節部にピストンを増加し延長した新たな腕が追加されていた。
「[一胆二力三功夫]」
浜田もまた強化をする。自分が纏っているものを全て氣と化し己と一体にする。
「「[一点]」」
「[
アレンはありとあらゆる計算から基づいたピストンからくる運動エネルギー、先程奪った化学エネルギーを再び電気エネルギーにそして魔力に変換し右人差し指の一点に集める。そして完成されたホームで放たれた拳は一点に極限のエネルギーが集まっていた。
「[
浜田は己が相棒たちの氣と信頼、そして経験を集約させアレンとほぼ同等の技を勇気、身体、技を最大限に使いまたしても右人差し指に集中させる。そのエネルギーは小さいがまさに山のようなエネルギーであった。
互いに右人差し指を正拳突きで放つ。
その2つの技はまさにエネルギーの本流ぶつかるは渦潮の如し激流が絶えず唸る。
土煙が無尽蔵に舞う。
それが止む頃にはすでに1分は経っただろうか。
そこには剣を首に向ける機械仕掛けの騎士がいた
決着はついた。
アレンの勝利だ。
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