第66話
ここは王都の戦場地
魔物は既に迫ってきていた。そして今ホク―ト王国の歴史に名を刻む戦いが今、開かれようとしていた。
ホク―ト王国軍は最終防衛線として王都の城壁に存在し一人戦場に赴いた英雄を眺めていた。
「今日のカードは」
ピッ
「月の逆位置、魔王に成りきろうか!【我 求める 神秘を 我が名は 偽りを求む ならばその名 語るにふさわしき 化身と化せ イリュージョン】」
ユニークスキル『趣味』発動
ユニークスキル『魔王』強制発動
アレンが求める魔王像。日本人ならば誰もが魔王という人物にふさわしき名を挙げる人物。その名は
「ノブナガ風ってところかな。」
「【イグニッション】」
地下から爆発が起こり地下水脈に直撃した。
ズドドドドドド
水が魔物の前線の3割方吹き飛ばされ瞬く間に川のようになり土砂を流してモンスターを殲滅していき血の川を創り出す。
「【この世 我らの住処 与えし偉大なる大地よ 我ら 触れぬ異形を 掴み 大地を 踏みしめんと 立ち上がし者よ 我らと友に 歩め そして我と共に いざ行かん アースゴーレムレギオン】」
大小様々なゴーレムがニョキニョキと地面から生えてきた。
「しゃっー。行くぞゴーレム達。【我が名 アーレギオン・ガレリア・グロリアスの元へ 集いし者たちよ 今この時を 我と共に生き 我と共に遊べ チェックオブマリオネット】」
まるでチェスのように整列しモンスターを迎え撃つ準備を始めた。
「ふう、圧巻だがまだ数が多いな。俺の脳処理をもって後数分か。む、あいつはなんだ?」
モンスターの群れの中にいる巨大な亀の魔物によって極光の矢を生み出してゴーレム達に向かって放たれ一部がアレンの方にまで回ってきた。
「ち、【イグニッション】」
極光の矢と超新星に匹敵する小規模爆発が牙を剥く。
ズドーーーーーーン
ゴーレムの損傷は激しかったが瞬く間に再生していき元の形に戻る。
巨大な亀の魔物はそれならばと先程よりも巨大な極光の矢を数々放った。
「させるかよ。【炎よ 源の多くを対価に 敵を殲滅せし 者を 顕現せよ レインファイアー】
そして2人の技がぶつかると爆音と共にキノコ雲が巻き上がる。
「ヒャッハー、中々やるな。ならこれならどうだもう一枚のアルカナ剣の王 絶対なる裁きを与える者よ【我 求める 神秘を 我が名は 偽りを求む ならばその名 語るにふさわしき 化身を生み出せ イリュージョンウェポン】」
そして現れたのは右手には刀身に東洋竜の彫刻があしらわれた刃渡り30cmほどのナイフを持ち、左手には弓には西洋竜の彫像を持ちいて弓の弦を抑えるところが東洋竜の彫像となっているボウガンを収めた籠手を装備したアレンの姿であった。
先程とは比べ物にならないほどの速さと威力の光の攻撃が放たれた。
アレンは避けない。否、避けられない。避ければ確実に王都が消滅し兼ねない一撃だからである。
アレンはボウガンに矢をセットすると最も威力の乗る距離に矢が当たるよう予想し更に攻撃の核となる部分に的を絞りギリギリまで待って放つ。
「ファイア!」
爆発は起きず各々の技を完全に相殺する。
巨大な亀の魔物の最強の技が完全に相殺されたことで見せた動揺による油断。青年はそれを見逃すほど甘い人物ではなかった。
空中にいる巨大な亀の魔物に向かって跳躍し、一気に間合いを詰める。
巨大な亀の魔物は反射的に光の矢を10発ほど放つがアレンは一つ目を首を捻って避け後から五発を足と身体を捻りその遠心力で回避して残りの弾道から流れながらも巨大な亀の魔物に近づく。
身体が接触しそうな位置まで間合いを詰めるとナイフで頸動脈を切ったかと思えばすぐさま頭をナイフで刺して固定し膝蹴りを顎に当てる。サッとナイフを引き抜く。
この一連の流れは一切の無駄が無く的確に脳を揺らし流血の意識を逸らしていく神技であった。止めどなく流れ出る血は巨大な亀の魔物の体力を減らし顎の衝撃によって朦朧としている意識を更に昏倒させていく。
「この魔物強すぎんだろ。このクラスがもう何匹か居たらめんどくさそうだな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます