第65話
「これより軍法会議を開きます。」
リナリーさんは皆を見回すと会議を始めた。軍人たちは騎士というよりもジャングルでの戦いを想定しているような風貌で何故か頭は全員モヒカンの男性たちだった。
「議題は来襲するモンスターの排除及び住民の避難。」
議題を提示し駒を並べ始めた。
「それと今回ガレリア王国の公爵に意見を求めることにします。」
「俺はアーレギオン・ガレリア・グロリアス、意見を求められれば答えるが基本干渉はしない予定だ。一応この国の国王の孫でもある。」
「「「おお、サンタナ王女の息子か。」」」
おっさんたち息ピッタリなんだけど。
「コホン……議題に戻るけど確認された魔物、モンスターは100万確実にこちらからもこちらからも死者が出ると思うわ。それで一番被害の少ない可能性を考えたいのだけど何かある?」
「「「私たち軍議はさっぱりですので!」」」
「おい。」
いっそ俺が全部片づけるか?けど仕事増えそうだしな。
「だから呼んだのよ。」
「はあ。これじゃあ俺にまで被害を被りそうだな。……ん?ラピス?」
「アレンが全部撃退する。」
「「「そんなことができるのですか!」」」
「できるよね?」
あ、結界貼るの忘れてた。心読まれてらー。もうこれ何言っても通用しねえな。
「あ゛~しゃーねえ全部引き受けてやるよ。ただし公爵としてでなくただの旅人としてな。」
「「「お供します!!」」」
「いらん。」
「「「なぜですか!」」」
「それだと正体バレるだろうが。」
「「「別にいいではないですか。」」」
「そんなことしたら書類仕事が増えそうだし他の仕事も増えそうなの!」
「「「は、それはいけませんな我らも門外漢でして書類仕事は苦手ですので。」」」
息ピッタリなのがまた正直者って感じがしていいけどほんと脳筋って感じなんだな。
リナリーとサンタナは頭を抱えアレンとミーシェルはこの国大丈夫かという視線を脳筋組に向けていた。実際問題この国がどのようにして成り立っているのかが不思議なくらいに見えていた。ガレリア王国と違って派閥争いがなさそうな分こちらの方が良さそうに見えるが逆に戦争では兵士としてしか使えなさそうであった。
「いつもこうなの?」
「いいえ、戦争に駆り出された軍師の方が頭はキレるんだけどこの人たちは武功で貴族になった人たちだから戦況を読むのは上手いのだけれど駒とか使うのに向いてないのよ。けれど本当に一人でできてしまうの?」
「はあラピスが読心系のスキル持ちでな。本当のことだから嘘つけねえしこうなったら意地でも動かねえんだよ。」
「それは少々難儀ね。でもこれが成功したら功績になるわよ。」
「要らねえよ。今やることは公爵としての責務をサボることだしな。」
もはやおまじないのような決まり文句に成りつつある言葉を叫ぶ。
「趣味(サボり)の時間だ。」
スキル『怠力』発動
スキル『外交力』を取得します。
スキル『趣味』発動
スキル『殺傷耐性』を取得します
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