第33話

誰のせいでこうなったのか、それはわからない。


自分のせいで無い?


それは言い訳だ。途方にもなく理不尽で自分に都合の良い言い訳だ。そして他者にとっては最も不都合な言い訳だ。


だから、今この時をもって怠けることを辞めるのも自分にとって都合の良い言い訳にしかならない。

けれども漢が一度やめると決めたのだ。やりきらなくてどうする、これ以上前世の二の舞いになるつもりはない。


「【我 求 発を】」


そうこれはあくまで仕事じゃない、趣味だ。ガキの頃から愛して止まない英雄になりたいがための現実逃避。子どもの頃から考え出しては止まらなかった英雄の条件。それを今満たすべき時。


シェルのおじさんは象、旅をする者(ジプシー)、アルカナの愚者なら俺は死の世界とこちらの世界を彷徨うシェルがこちらに戻ってきてくれるような居場所に俺はなりたい。そうその名は象の骸(ジプシーの王)、皇帝に成(偽)るんだ。


「【イグニッション】」


さあ、怠り(趣味)の時間だ。


始めよう敵討ちという名の八つ当たりを。きっかけ(イグニッション)は作った。努力をしにいざ


「【マテリアルイグニッション】」


参る!!


俺はまず原子のひとつを意図的に崩壊させ放射能と強力な電磁力を生み出し魔力で増幅させる。そして先ほど取ったばかりの四次元感知のスキルで見つけた存在に攻撃を入れる。


「【レールガンスーパーナパームミサイルミニマム】」


荷電粒子砲をもって電磁場の莫大な歪みも利用しプラズマの行く末をコントロールする。ほんの針を刺すくらいの小さなプラズマでこそあったがその威力は敵を倒すには十分すぎるものだった。


「ゴオッフォ!、何故四次元空間に居る俺様に攻撃を当てられた。」


黒く焦げては居るがその禍々しさから常任ならば発狂しそうになるような存在だがアルティマさんが目を見開き驚くぐらいには珍しい存在なのだろう。


アルティマさんに目配せをする。


「殺せるのなら殺してしまって構いません。」


「いいのか女神、こちらには協力している転生者がいるのだぞ。」


二人が話すとき時は止まり他の人間が動けないのを理解することができた。


「構いません、違反を犯した時点であなたは資格を剥奪される対象です。」


「ち、こっちも死んでたまるかよ。空間魔法 ”断絶”」


「空間魔法”断絶”」


俺を起点とした空間が切り裂かれそうになるが全く同じ魔法を使うことで対処する。


「【クロノイグニッション】」


「な、俺様の時間が有限になっただと!」


時間というフラグに点火させ三次元の自分領分に引きずり込んだ。

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