第30話

「別にいいけど。」


本当にここまでやられれば十分に見えるんだけど、あと罰考えるの面倒くさいじゃん。領地のこととか知らないんだし。ほら、魔力(ゴリラ)もうんうんうなづいてるぞ。


「アーレギオン王子、そんな糸も簡単に許してしまってはダメです。領地の畑全てを耕すくらいのことはさせないと調子に乗ります。」


「え、でも。」


やるの面倒くさい。


「でもではありません。武官と言えども領地を持つのです。しっかりと教育させねばなりません。」


「それはそうだけど、俺は五体満足だし。」


なんかココロヲヨマレタキガスル。


「あの攻撃はアーレギオン王子の首を吹き飛ばしかねないほどの威力が篭っていました。それをおいそれと許してしまっては公爵としての自覚が無いと言われてしまう恐れがありますのでどうかご決断を。」


「えーとそれじゃあ……」


考えるの面倒だな。しかしな……

ふと壁に飾ってある地図を観る。それと伯父さんの魔力(森の賢者)を見る。

あ、そうじゃん森の患者(傷ついたゴリラ)ならできそうなもんあるじゃん。


「道路を作ってもらえるかな、一人で。」


ゴリラ、無残に泣き叫びながら首を垂れる。

伯父、感激のあまりドラミングをする。


普通逆じゃね。


「Marvelous、素晴らしいですわ。」


何、今の発音うらやましい。前世は海外(外国)への憧れはあったけど英語の勉強とかすっぽかしてたからそんな発音できた試しがない。


「ねえ今の言葉は?」


「ああ、その昔公爵、王族の祖先の召喚者の一人が話していた言語だそうです。なんでもUnited States of Americaという国名だそうで他の召喚者の方だと日本という国の方が多くそちらの方が解読は進んでいるのですがその召喚者の方だけは別で話すのに苦労したそうで当時の公爵だったブラフォード・ガレリア・クロリアス様が解読に多いに貢献してそれを絶やさぬよう教育のです。」


「召喚者の召喚って基本的にどこの国がやってるの?」


気になる気になる。この国の召喚者は多分、親の仕事で日本に来てたのか日本に留学しに来た子なんだろうな。ってかアメリカ英語か。今度習ってみようかな、趣味として。


「すみません私めの勉強が未だ至らず言い訳がましいですがこの国は大陸の端に面しており国外の情勢には学園でもあまり教えず特に疎いのです。アーレギオン王子のサンタナ妃の方の血筋や国にも召喚者はいらっしゃいますがその方はまた別の言語を用いていたそうで私の方ではわからないですがサンタナ妃ならば召喚を行なっている国もご存じかと。」


あらま、色んな国の子が来てるのね。けれどヴァイリガルの子がいくら優秀でもできないよね。

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