第15話
「さて、アレン?」
既にそこにアレンはおらず料理が並べられた方に入って行った。
◇◇◇
ふ、なんとか追跡者は撒いた。もはや交流なんぞどうでもいいのだからほぼ食事を食べながら眠気と格闘していこう。
「あ、これ美味しい。」
プリップリの身が口の中で踊り甘みと旨味が口いっぱいに広がるロブスターのラガー蒸しだ。程よくレアの状態で調理されてい居り噛む瞬間はプリっと噛み続けるとねっとりとして口の中にまとわりつきダイレクトに味覚にヒットさせる。
「これも美味い。」
子どもの顎(ほぼ大人と同じことに気づいていない)でも噛み千切れる牛肉からあふれんばかりの肉汁が喉を潤す。和牛のA5ランクのような霜降りの脂はないがその分肉の旨味の基礎たる肉汁は洪水のように口の中をなみなみと満たしていく。部位は様々あり飽きることなく堪能できそうだった。
「野菜のテリーヌとか転生者が作ったのかな?」
野菜のテリーヌは彩もよく作られておりとてもいい箸休めとなっていた。他にも白身魚のパイ包み焼きなど美味しいものがたくさんあり俺のフォークが止まることは無かった。
食べ続けること90分、こちらを見ながら食べ物を食べている少女がいることに気が付いた。ドレスの複雑さや飾ってある宝飾品の数々から上級貴族と見受けられるが彼女も俺と同じく初めての社交界なのだろうか使用人がそばについていた。
俺?そんなもん撒いてきたにきまってるだろ。でなきゃこんなごちそうにありつけてないぜ。
少女と俺は無言で見つめ合い
(パーティーってめんどくさいよね。)
(うん。)
謎のテレパシー通話を行い意気投合すると互いに美味しかったものを勧めだした。
無言で皿を差し出していく姿は使用人の人たちにはとても不気味に思えていたようで顔を引きつっていた。
そしてパーティーが終盤に差し掛かろうかというとき事件は起きた。
「公爵令嬢ミーシェル・ガレリア・クロリアス、私モーベル・ガレリア・クライスとの婚約を破棄する!!」
ねえ、これなんて言う乙女ゲームだっけかな?普通に考えてこんなの考えるのめんどくさいんだけど。そんなに真実の愛が欲しいなら駆け落ちするぐらいの度胸があってもいいと思うんだけど。あ、陛下もといパピーが顎を外すほど驚いちゃってるよ。これ収集突かなくなってるよ、ほら時間を視なさいもうすぐ12時過ぎるよもう子どもを寝かせないつもりってかナニあの人が兄ちゃんなの言葉から見るに一番上とかだろうけどこの国本当に大丈夫なのかしら。
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