第14話

スキルが暴走していることに何ら気づかずパーティ会場に向かう俺氏は妙な感覚に取りつかれた。

それはまるで幼い子供の見る夢のようなすぐ忘れてしまいそうな感覚で究極なるエネルギーを感じていた。

俺はその時あることを思い出した魔力がerrorってことはもしももしも電卓と一緒で駄目女神がミスをしたとするならばだ。0/0ってerrorコードそのままの無限数じゃねえか!


スキル『怠力』発動

知覚部分の処理を早めます。


アナウンスが流れるとともに夜会の扉の前にたどり着いた。


「良い、アレン?なるべく頭のよさそうでどこにも属していない子を誘うのよ。」


このオカン、少しばかり過保護過ぎではないだろうか。子どもの公園デビューならぬ社交界デビューにしたって郷に入っては郷に従えということわざがあるようにまず自らの意思で郷に入らせなければ意味がないと思うのだが。


「うーん、なんとなくわかった。」


「これもアレンがよりよい生活をするためよ。」


俺からすれば生活が仕事に聞こえてすごい嫌なんだが。いい生活イコール良い仕事に就く、どうも俺にはこの方程式が頭の中から離れないらしい。この世界に来る前にメンタルヘルスが無いか聞いて来ればよかったぜ。500年もあればいい精神状態になれたかもしれん。


スキル『怠力』発動

スキル「精神汚染耐性」を付与します。


うんうんやる気がないって素晴らしいな。親しき友人すら作らないやる気のなさが今の俺を作っていると思うと涙が出るぜ。


「アレン、そろそろ行くわよ。」


いざ、悪魔たちが住まう魔境に足を踏み入れん。


扉が使用人によって開かれるとそこは煌びやかにグラスが積まれ相当な金がしたであろう服にブローチをつけた者たちが踊り話し合う見た目だけは華やかな場所であった。


俺はこの腹の探り合いで今後が決まるかと思うと不安でいっぱいだった。

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