第5話
「そうか?町の人たちにも数人に事情聴取をしているがお前を見たものは居ないぞ。」
この国王は俺のこと疑っているらしい。しかし、俺は絶対に仕事がしたくないがために必死に考えた。
「そうではありません父上。見るのは市場と工房です。」
次から次からでてくる出まかせの数々
「市場は判るが工房?」
「工房を見れば実際にこの国で必要としているもの、技術として民間、国に限らず最も需要の高いものがわかります。」
「ほう、それではアレンは何が必要としてい居ると持ったのかな。」
「刃物です、正確には剣ではなく日用雑貨に使われるようなものが必要とみられます。たびたび行く工房では包丁と金切りはさみなどの注文が絶えることはありません。剣の鍛錬のし直しなどもたくさんありますが剣一本に対して包丁5本、金切りはさみ8本の発注があります。ということは剣の強度は申し分ないにしろ包丁や金切りはさみが強度不十分のせいで頻繁に買い替える必要があるということです。これではわが国の技術面での向上が見受けられていないとも考えられます。この国の歴史から考えると鉄の製造は700年ほど前からその火力に使われる炎魔法で鍛冶魔法と呼ばれる技術は1000年前から使われていたにもかかわらず、300年ほど前の異世界から召喚した者が持っていた刀と呼ばれる鉄製品にしては驚異的な薄さと強度を持つ業物に近づけようとする努力が見受けられないと言っても過言ではありません。」
口から出まかせ半分、偶々読んだ歴史書に書かれていたことから無理矢理つなぎ合わせた。
「ふーむ、一理ある。では刀に近づけられうようにアレンが懇意にしている工房主に行ってみよ。私が話はつけてやる。それが成功するまではステータス閲覧はなしとしよう。」
よっしゃあ!!!!
これにてサボる口実ができたぞ上司公認のサボりだヒャッフー!
心の中では踊り狂っていた俺だったがこのとき悪夢が襲うことを俺は知らなかった。
「しかし、職人街の方に行っておったとは通りで足がつかぬわけか。あそこは街を改造しまくっている輩が多い。隠密達も四苦八苦するところだしなにぶんカタギとは言え極道気質の者たちが住まうところだから充分に気をつけてから行くようにするんだぞ。」
あ、しまった完全に俺の行動パターンがバレてしまった。むむむ、これから別のサボり場所を考えなくては。
「別の逃げ場を考えても無駄だぞ。もうアレンの行きそうなところはマークさせているし住民達にも指名手配したからな。今後は職人街のみでの活動を許可する。」
「ガーン!」
チッキショー!!
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