第4話

あれから勉強等々をサボりまくって数日経ったある日


「アレンや、今日はスキルの閲覧をしてもらう。」


俺の父である王に呼び出されたと思うと急に言われた。


「スキル閲覧?確か貴族でも8歳じゃ無かったけ?」


「そうだが、お主は優秀だ。王位継承権は低いにしろ領地を持つことにはなるだろう。早いことに越したことは無かろうに。」


けれど俺は思う。そんなことしたら絶対仕事指せられるじゃん。領地経営とか舐めてんのか、領地を経営するにあたっての税収、騎士の育成。公共事業、住民達の反乱を起こされないだけの政策と言った定期的かつ臨機応変に先見の詠みを持たないとできないものだし何より忙しい!


「父上、それは早計かと。今、スキル閲覧をして先を尖らすよりも幾分待ってからの方が領地を持つ上ではためになるかと。(クゾガキに仕事を増やさせるんじゃねえ。)」


「しかしな、お前は取り分け算術、武術、知識、芸術に関しても優秀ではないか。」


父たるこの王はいかようにやらせようか企んでいるに違いない。だがな、俺はそれでもやりたくないんだ。仕事はヤダ!しかも何あの上級階級の書類の多さと言ったら縦に積んだらエベレスト超えるわ。アンナシゴトヤリタクナイ、モウイヤダ


……とダークサイドに落ちてしまっていたようだ。大丈夫、俺はアレン、俺は俺、自我を保てている。


「父上、お言葉ですが若さというものは経験の有る無しに関わらず弱点と成り得ます。そのため今の段階でスキル閲覧を行ったことがバレますと乗っ取りを企ててしまうものがいますので、私を炙り出しに使うのならやめていただけますか?」


今度はもうド直球に確信めいたことを言い放った。仕事がしたくない理由をもっともらしい位置づけで回避する。


「バレているならしょうがない。しかし、それではアレンはいつになったら王族としての自覚を持ってくれるのだ、」


そんなもの持ちたくない。のんびり仕事せずに暮らしたい。というか人任せにしたい。仕事はしたくない。そもそも国王は国民の奴隷、王子からの出世なんてした日には過労死確定コース。絶対に今世ではブラックな職場にはいかないと決めたんだ。この世界の異世界召喚者どものせいで教育に関することだってめちゃくちゃかつ複雑なものに変わってしまっていた。社会人を経験とした俺からすれば道徳教育は年々変化していくのに対し大人たちはそれに理解をしようとしないためにギャップが生まれ精神的苦痛になるケースも少なくない。少なくとも国王候補である王族の家庭教師は派閥づくりやもの考え方などが各国王の時代によって違うことが本での調べはついていた。


つまりだ、国民の不安は年齢ごとで大いに異なるし平民の思想、貴族の思想なども合わせればより複雑になる。ましてや今回は俺が巻き込まれた異世界召喚者だっているんだ。より世界があれるって時期にやりたいと思えるはずがないってんだよ。


「父上、確かに近衛ともう一つの部隊は撒いてから抜け出しておりますが何もただのんびりとしているわけではありません。ちゃんと町の情勢を見ております。」


そして俺は出任せを話し始めた。

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