黒幕はおばあちゃん

赤ずきん♂「(素で)……オオカミさんそこおばあちゃんのベッドなんですけど」


狼♀「おばあさまが赤ずきんさまとのランデブーに使っていいって言ったのですよ」


赤ずきん「ランデブーって何?!  なんで裸なの?!」


狼「赤ずきんさまのPCの中の動画の真似なのです」


赤ずきん「待って!  ちょっと待って!!  何それ?!  何の権利があって勝手に人のPC見てんの?!」


狼「オオカミちゃんは赤ずきんさまのベターハーフなので見てもよいのです」


赤ずきん「よくない!!  やめてほんとやめて!! パスワどうやって突破したんだよ!」


狼「キーボードの匂いを嗅いで使用英数記号を特定して、ドスケベそうな単語をアナグラムで組んだらぴしゃりなのですよ」


赤ずきん「君、変な方向に有能だね?!」


狼「はい、オオカミちゃんは有能なのです。裸の女の人が好きならオオカミちゃんにそう言えばよかったのですよ。いつでも見せてあげるのに。有能なので」


赤ずきん「違う!!!  あれは……そう、おばあちゃんが僕のPCに勝手にDLしたやつで……おばあちゃんがスケベで困ってたんだよ、あはははは……」


狼「裸の女の人のお写真や動画がいーっぱい入った赤ずきんさまのフォルダーをおばあさまに見せたら、『こんなので発散するからひ孫の顔が見られない』って言ってこわーいのでいっぱいいっぱい上書きしていたのです」


赤ずきん「はぁ?!」


狼「赤ずきんさまはこわーいお写真見たことがありますか? ホームビデオに映りこんだマジもんの怨霊とか、シリアルキラーが撮っていた犯罪記録とか、人間のプラスティネーション標本の工程とか……素人は検索しないほうがよいのですよ。でもオオカミちゃんは見たことがあります。オオカミちゃんは平気です、有能なので」


赤ずきん「ああああああああああ何やってくれてんだあのくそババア!!!!」



  ――終劇。

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