小豆をくんくんする話
/*登場人物はデフォルトで男性2人ですが、男女その他、どのように組み合わせていただいてもOKです。アドリブ上等です*/
/*性別の組み合わせを適当に変えていただいた際、人称や語尾を女性・男性・オネエ風などに変更していただいても構いません*/
/*作者のイメージとしては、柄の悪い男→残念なちんぴら風 おにいさん→普通のお兄さん*/
(方言はいろんなところのものをミックスした「なんちゃって方言」なので、アクセントや語調など、ご自由にお読みください)
/*可能ならSE:足音→人にぶつかる音*/
お兄さん「あっ、サーセン」(そそくさと)
柄の悪い男「おい、兄ちゃん……人にぶつかっといてなんやその態度は? あぁ?!」
お兄さん「いや、だからサーセンって……」
柄の悪い男「はぁ? だからやないやろ?! ちょっと礼儀っちゅうもんを教えてやらにゃいかんなぁ?」
お兄さん「いやほんとサーセンって……」
柄の悪い男「まずちゃんと俺の方向けやごらぁ!」
お兄さん「は、はい……」
柄の悪い男「目ぇそらすなや! まっすぐ立たんかぃ!!」
お兄さん「はい」
柄の悪い男「りぴーとあふたーみー!『すみません』」(教材のように美しい発音)
お兄さん「りぴーとあふたーみー……」(つい吹き出す)
柄の悪い男「兄ちゃんそれが人にものを習う態度なんかワレェ!」
お兄さん「……ごめんなさい」(小声)
柄の悪い男「じゃあもう一回じゃあ! 真面目にやりや、まったく……りぴーとあふたーみー!『すみません』」(再度、美しい発音)
お兄さん「すみません」(美しい発音)
柄の悪い男「よし、そして背筋を伸ばして腰から45度前に倒してお辞儀や。これが謝罪のスタンダードやこんくらい覚えとけあほんだらあ!」
お兄さん「こうですか」
柄の悪い男「悪うない。悪うはないけど、うーん、道端で45度は不自然やな。そうやなぁ……よし、15度に変更や。これはライトな挨拶の角度やぞ」
お兄さん「こうですか」
柄の悪い男「それでええわ。なんやお前、やりゃぁできるやないか」
お兄さん「ええ、まあ」
柄の悪い男「そこは『ご指導の賜物です』くらい言っとけばいいんじゃあぼけがぁ!」
お兄さん「すみません」(美しい発音)
柄の悪い男「それでよーーし!」
お兄さん「じゃあ俺、もう行きますんで」
柄の悪い男「ちょい待ち兄ちゃん。お前なかなか見どころあるやないか」
お兄さん「いえそんなことは」
柄の悪い男「ちょっといいとこ行って、俺と遊ぼうや……こいつで」
お兄さん「えっ?! これ……」
柄の悪い男「
お兄さん「い、いいえ」
柄の悪い男「ちょっとだけ吸うてみい……天国みたいな気分になるでぇ?」
お兄さん「いやいいです!」
柄の悪い男「嗅げゆうとるんじゃぶちかますぞこらぁ!」
お兄さん「は、はい」(すごく嫌そうに)
お兄さん「……?」(すんすん)
お兄さん「……????」(すんすんすんすん)
お兄さん「このお手玉、
/*可能ならSE:しゃらしゃらとお手玉っぽい音*/
柄の悪い男「へっ……いい匂いやろがぁ! 北海道産有機栽培大納言やぞ」
お兄さん「お祖母ちゃんちを思い出しました。遊びに行くと、よくぜんざいとか作ってくれて……」(しんみり)
柄の悪い男「ガワもなぁ、
お兄さん「誰がですか」
柄の悪い男「俺以外誰がおるんじゃボケ!」
お兄さん「すみません」(美しい発音)
お兄さん「でも一つだけ聞いていいですか」(何となく柄の悪い男と話すのに慣れてきた感じ)
柄の悪い男「おう」
お兄さん「なんでお手玉持ち歩いてるんですか?」
柄の悪い男「そんなことも知らんのかどあほが! これはな! 道で泣いとる赤ん坊に使って見せて無理やり黙らせるのに使うんじゃぁ! デイサービスのお年寄りたちを懐かしがらせて泣かすんじゃぁ!」
お兄さん「黙らせたり泣かせたり忙しいですね」(ごく小声で)
柄の悪い男「あとな、組のもんに見せると箔がつくんじゃぁ!」
お兄さん「それってさくら組とかばら組の園児とかですか」
柄の悪い男「兄ちゃんなになめ腐ったこといいよんじゃわれぇ」
お兄さん「すみません」(美しい発音)
柄の悪い男「どういたしまして」(美しい発音)
柄の悪い男「お前、なに植物を組名にさらしとるんじゃ、時代は鳥類、ひよこ組のよいこたちじゃぁ!!」
お兄さん「あー……ひよこ組可愛いですね」
柄の悪い男「じゃろーが! それに今持っとるんはこれだけやないで……見いやこれ。カタギさんには普通見せんのやけども……」(にやり)
/*可能ならSE:じゃらっと堅いものが触れ合う音*/
柄の悪い男「まあ特別に、触ってもええで……おはじきや」
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