女子代官と悪徳商人
/*時代劇風にやや大げさに演じてください。ただし、女子代官はイマドキ風でお願いいたします*/
/*登場人物→ 女子代官 悪徳商人のおじさん*/
悪徳商人「本日は手前どものむさくるしい屋敷までよくお運びいただきました」
覆面の女子代官「なんか用? 私、早く帰りたいんだけど」
悪徳商人「お目にかけたいものがございまして、ふふふふ」
女子代官「山吹色のお菓子? さすがにちょっと飽きてきたんですけどぉ」
悪徳商人「そうおっしゃると思いまして本日ご用意いたしましたのは、将軍様でも手に入らぬ極上の
女子代官「え~本~?」
悪徳商人「そう仰らずに、この箱をどうぞお納め下さいませ」
女子代官「見るだけ見てあげるけど……」
悪徳商人「ささ、どうぞ」
女子代官「じゃあ、開けるよ?」パカッ
悪徳商人「ふふふ、お好きでございましょう?」
女子代官「……なにこれ……」
悪徳商人「当代きっての絵師の限定版でござります。新刊部数が非常に少ないと聞き及び、随分並び申しました」
女子代官「……っつーかさあ……これおじさんが並んで買ったの?」
悪徳商人「無論でござります。それもこれもみな、お代官様のため……ふふふふ」
女子代官「何笑ってんの? 引くわー、めっちゃ引くわー」
悪徳商人「はい?」
女子代官「おじさんさあ、なんか基本的に勘違いしてるよね? 私こんな
悪徳商人「え?」
女子代官「なんでそんなに意外そうなの? なんで若い子はびいえるが好きとか勝手に思っちゃってんの? もしかしておじさん自身がびいえる好きなんじゃないの?」
悪徳商人「お、お待ちくださりませ! 誤解にござります! あっ、ではこちらはいかがにござりましょう? 今を時めく二枚目ナマモノ夢でございますよ!」
女子代官「なにそれ」
悪徳商人「ナマモノは実在の人物を使った二次創作作品群を指し、夢というのは自分自身、あるいは自分が作った人物を物語に入れ込んでいるものを呼ぶのでございます。例えばこちらなど、村中屋のぺけ右衛門と夢女子の甘ーい新婚日常ものでございまして」
女子代官「……うーん、ピンと来ないわー」
悪徳商人「ご存じありませぬか、ぺけ右衛門」
女子代官「友達は好きって言ってたけど、私はいまいちって感じ」
悪徳商人「ほかの役者のものも取り揃えております、一度、お試しだけでも……」
女子代官「もう帰っていい? 明日、手習いの試験もあるし。勉強と代官の両立ってホント大変なんだからね?」
悪徳商人「……お疲れ様でござりまする」
女子代官「おじさんもさあ、
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