第229章 手段と目的、その二つと遊ぶ

 手段に囚われ、目的が見えなくなっていく。

 今、そんな真っ赤な嘘の中。

 何かの力をどれだけ得ても。

 肝心の結果を得ることができない。

 そんな嘘の中。





 

肯定

 アインシュタインさんあたりが、こんな言葉を残したらしい。


 「手段は完全になったというのに、肝心の目的がよくわからなくなったというのが、この時代の特徴と言えるでしょう」


 という感じの言葉ね。

 それは、今の僕が見ている景色もそうで。

 時々、手段ばかりを見てしまって、目的が見えなくなることもある……。


 今も昔も変わらないな、と。

 それは、少し残念で。

 だけど、同じことが少しだけ嬉しいような。



テツガクちゃん

 肯定さんも、昔の人と同じ景色を見ているのかもしれませんね!

 その共感の時空は、必ずしも残念なことではありませんよ。

 

 今こそ、共に何かを津々と味わいましょう。

 共味津々にです!


 その最初の一歩に、私は肯定さんが見ている景色。

 それが知りたいです。

 今、一体どんな手段を見ているのですか?



肯定

 僕がとり憑かれてしまった手段は……。

 画力とか文章力かな。


 それらは、ただの手段でしかないんだよね。

 画力が欲しいとか、文章力が欲しいなんて、真っ赤な嘘っぱちで。

 本当は、結果が欲しいんだよね。

 ビッグ・マネーとか名声とかね。


 そういうのが、結果という目的だと思うんだよ。

 


テツガクちゃん

 なるほど。

 たしかに、そうかもしれませんね。


 ですが、そんな真っ赤な嘘もステキですね。

 綺麗で美味しそうじゃないですか?

 禁断の果実に似た、リンゴような。


 肯定さんが、目的を達成することを私は願っています。

 今、欲しいと思っている結果を手する日を。

 その隣で、私は肯定さんが残した嘘の味見をします! 

 


肯定

 面白いね。

 是非、その味を僕にも教えてよ。

 真っ赤な嘘の味を。


 あっ、でもさ。

 常に目的達成しているものもあるんだよ。


 例えば、このブログとかさ。

 もし、ビッグ・マネーや名声が欲しいのなら。

 きっと、違うブログを作っていたと思う。


 でも、僕がやりたかった事は、ガクちゃんと何かをつくることで。

 その目的は、毎日達成しているよ。

 

 だから、ありがとうね。



テツガクちゃん

 いえいえ、そんな!

 私がそのお役に立てているのなら、私もとても嬉しいです。

 こちらこそ、ありがとうございます。


 完全な手段という深淵に沈みながら。

 大切な目的という明りが見えなくなる。

 だけど、明りがない深淵でしか見れない灯りが底にある。


 その探し物と出会い。

 這い上がることを学ぶために、あえて深淵に飛び込むのかもしれませんね。

 暗黒の騎士のように。


 そうやって、小さな目的を少しずつ達成していく。

 手段なんてトタン屋根に放り投げて。

 そういう、なんてことない毎日を過ごせたらいいですよね。


 あなたはどうですか?

 手段と目的。その二つと遊んでいますか?

 もし、永らく会っていないのなら、また会いに行きましょう。





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それでは、また次の機会にお会いしましょう。


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