第214章 関心のない人は立ち去ろう

 『経験のない人が口を出すな』。

 そう思ってしまう気持ち、それはわかりますが。

 それを言ってはお終い、という気持ちも同じくらいわかる。

 その二つの気持ちの狭間で出会った何かがあります。






肯定

 『経験のない人が口を出すな』。

 そんな感じの言葉を言ってしまう気持ち。

 それは、よくわかるんだけど……。


 それを言ってはお終い、という気持ちも同じくらいわかる。

 

 それで、最近出会ったのが。

 『関心のない人は立ち去ろう』。

 そんな景色に出会ったよ。



テツガクちゃん

 それはステキですね!

 私にもピッタリです。


 関心がないのなら、好奇心の羅針盤が示す新しい景色に会いに行きたいです!

 幸いなことに、私の羅針盤は回り続けているので。

 示す景色がなくなる心配は、今のところなさそうです。


 関心がなければ立ち去る。

 次のフロンティアを目指して。

 ステーキな考えですね。


 

肯定

 ありがとう。

 きっと、これならお互いが納得できそうだな、と思って。


 ついつい、経験もないのに、と言いたくなる。

 そう返すのは仕方がないこと。

 そして、何かのふりをすることは大切なこと。

 

 例えば。

 船長でもないのに、船長のように振舞えば、いつか船長のようになる。

 素人でも玄人のふりを続ければ、いつか専門家になれるかもしれない。


 そういう可能性が消えてしまうのは寂しい。

 でも、言われる側も一方的に言われ続けるのは悲しい。

 

 だから、関心のない人は立ち去ろう、と思って。

 ほら、関心があれば、相手の言い分も聴くでしょ?


 それで納得すれば、もう同じことは言わないだろうし。

 

 

テツガクちゃん

 そうですね。

 関心がある人なら、自分が知らない視点があること。

 それに気づけば、同じことは言いませんよね。

 

 丘に登れば、街の先にある景色と出会えます。

 だけど、丘に登らなければ、その景色とも出会えません。

 そのことに気づけたら、丘を登ってきた人に関心を持てますよね。

 自分にはない視点を持っているのですから。


 私なら一晩は、丘からの景色の話を聴きたいです。

 私の知らない視点が何を見ているのか。

 それは、とてもステーキなミステリーです。



肯定

 ミステリーだね。

 関心を持てば、目の前のなんてことない石が流れ星に変わる。

 そういう『当たり前』という魔法を誰もが使いこなす。


 だけど、それを使わず。

 自分の世界から一歩も出ないで。

 壊れたレコードのように同じことを繰り返す。


 例え、何かの偉大な経験者でも。

 関心を持たない、そういう人とはお別れです。


 類は類を呼ぶ。

 関心が眠っている人は、同じ人同士でいるのが一番だと思います。

 果たして、その類が友に変わるのか。

 それはわからない、どうでもいいことで。


 僕もその無関心な世界とはお別れです。

 長くなりましたが、そろそろ立ち去ります。


 あなたはどうでしょうか?

 自分の中の関心は起きていますか?

 それはとても大切な力ですよ。


 路傍の石ころを流れ星――。

 いえ、もっと凄い何かに変えてしまう。

 そんな『十四才』的な力です。 


 さて、お待たせ、ガクちゃん。

 次のミステリーに会いに行こうよ。 

 あの丘を登った人を探しに。





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それでは、また次の機会にお会いしましょう。


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