第189章 時間という幻

[2019年12月11日水曜日]時間という幻


 みなさんがご存知のように時間は幻です。

 時間は、その場所の太陽の位置を示すものです。

 だから、21時は世界中どこでも夜なのでしょう。






テツガクちゃん

 気づいてしまいました! 私!

 と挨拶をして、始めたいところですが。

 今日は、皆様もご存知の当たり前をご紹介します。


 さて、皆様もお気づきだとは思いますが。

 時間は幻です。



肯定

 時間か。

 たしかに、時間は幻だよね。

 

 歪んだり、よじれたり、ねじれたり、急旋回して、揺れて、乱れる。

 そういう軌道を描くし、伸びたり縮んだりもする。


 でも、そういうことだけではないよね?



テツガクちゃん

 もちろんです。

 肯定さんがあの書斎で語ったように。

 私達にとって時間という幻は、太陽の位置を知るものでしかありません。


 時計が示すのは時間ではなく。

 その場における太陽の位置です。


 もし、本当に時間があるのだとしたら。

 『共通時間』という絶対的な時間があるはずです。


 21時は東の国では夜で、西の国では朝、という具合の。


 ですが、世界中で時計は、太陽の位置を示すものですから。

 どこの国でも21時は夜です。



肯定

 そうそう。

 ちゃんと覚えててくれたんだね。嬉しいよ。


 それに気づけたら、時計が何を示すのか。

 その幻にも気づけるよね。


 時間という絶対的で共通のものを示すのではなく。

 太陽の位置という絶対的のようで共通している感じの何かを示す。



テツガクちゃん

 そうですね。

 時計が時間を示している、という錯覚を信じてしまう。


 錯覚はこれだけとは限りません。


 私達は時間を一連の流れのように捉えがちです。

 そうです。『時の流れ』という幻に囚われるように。


 その『時の流れ』も、時間と同じように幻かもしれません。

 

 あるのは一つの瞬間。

 その一瞬だけ。

 

 私達は一瞬にしか生きていないのかもしれません。



肯定

 一瞬ね。

 それは、地球の寿命から見れば、人の一生は一瞬という意味ではなく。

 本当に、『一瞬しか存在していない』ということだよね?


 まるで、一枚の写真のように。



テツガクちゃん

 そうです、写真のようにです。 


 その一枚一枚の写真を突き抜ける。

 そんな稲妻があるから、連続した時と一連の記憶。

 そういう流れがあると、信じ込んでしまっている。


 時計を見て、そこに時間があると信じるように。


 そういう錯覚なのかもしれません。

 『時の流れ』という錯覚。


 動かない一瞬が、流れていくような幻を見せる錯覚。

 そのどちらが表か裏か、現実か幻実か。

 この可能性を信じることができるか、できないか。


 それらは、トタン屋根の上のどうでもいいことです。



肯定

 たしかにね。

 大切なのは、この一瞬を共に感じようとする。

 共感の姿勢だね。


 一瞬の輝きを大切にする。

 愛すべき、時間や時の流れという錯覚。

 それを見る、今、この瞬間を。


 一つずつ、稲妻がそれを突き抜ける。

 そんな『サンダーロード』を歩いていく。

 時の流れに流されるのではなく。

 自分で一歩一歩、稲妻が突き抜けた時空。

 その中を歩いていく。

 

 共感の瞬間。

 その記念写心を撮りながら。



テツガクちゃん

 ということで、私達も記念写心を撮りましょう!


 この瞬間だけではなく、これからもたくさんの瞬間の写心を。

 景色だけではなく、二人並んだ写心を。


 時空を歩く旅の物語。

 是非、あなたも記念写心を撮りましょう!

 大切な一瞬を収めた写心。

 カメラだけでは撮れない、そのステキな写心。


 もし、よろしければ、いつか私達にも是非見せてください!

 あなたが撮った、旅の記念写心を。




  

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。


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