第206章 生まれた、その瞬間から

[2020年2月2日日曜日]生まれた、その瞬間から


 とても当たり前すぎて、見失いがち。

 何を見失ったのか、それすらもわからない。

 そんな『Mr.ジョーンズ』になれる当たり前を紹介します。

 生まれた、その瞬間から、自分は自分だったんだ。






肯定

 最近、気づいたことがあるんだ。

 とても当たり前で。

 当たり前すぎて見失いがちで。

 何を見失っているのか、それすらもわからない。


 そんな当たり前。

 それに――。



テツガクちゃん

 気づいてしまったのですね!

 私ではなく、肯定さんが。


 是非、肯定さんが見つけた、その当たり前。

 それを私にも見せてください。



肯定

 もちろん。

 凄く近くて、影のように近い。

 そんな見失いがちな、この当たり前を紹介するよ。


 生まれた、その瞬間から。

 真島昌利さんは真島昌利さんだった。

 生まれた、その瞬間から。

 甲本ヒロトさんは甲本ヒロトさんだった。

 

 そして、生まれた、その瞬間から。

 僕は僕だった。



テツガクちゃん

 たしかに、見失いがちな当たり前ですね!

 何を見失っていたのか、それすらも忘れていてわからない。


 まるで、『Mr.ジョーンズ』のように。

 

 生まれた、その瞬間から。

 肯定さんが肯定さんであるのであれば。

 私も生まれた、その瞬間から私だったんですね!


 見失っていました!



肯定

 そうだね。

 ずっと、生まれた、その瞬間から。

 何も変わらないよ。永遠にね。


 僕の中で、真島さんがマーシーさんになったのは。

 THE BREAKERSで『スーパーマンを紹介するぜ』を歌った瞬間じゃない。

 THE BLUE HEARTSで『月の爆撃機』をつくった瞬間でもない。

 ↑THE HIGH-LOWS↓で『月光陽光』をつくった瞬間でもない。

 ザ・クロマニヨンズで『紙飛行機』をつくった瞬間でもないだろう。 


 僕の中で、甲本さんがヒロトさんになったのは。

 THE COATSで『がんばれのうた』を歌った瞬間じゃない。

 THE BLUE HEARTSで『リンダリンダ』を歌った瞬間でもない。

 ↑THE HIGH-LOWS↓で『ハスキー(欲望という名の戦車)』を歌った瞬間でもない。

 ザ・クロマニヨンズで『タリホー』を歌った瞬間でもないだろう。


 生まれた、その瞬間から。

 真島昌利さんは真島昌利さん。

 甲本ヒロトさんは甲本ヒロトさん。

 その瞬間に『1000のバイオリン』も『雷雨決行』も生まれていた。


 ただ……。



テツガクちゃん

 それを私達が知らなかっただけで。

 何も知らない、『Mr.ジョーンズ』だから。

 今まで気づけず、目に映らない人もいた。


 ただ、それだけのことだったんですね。



肯定

 そうみたいだね。


 そんな当たり前の前ではさ。

 売れたとか売れなかったとか。

 勝ったとか負けたとか。

 選ばれたとか選ばれなかったとか。

 そういう結果。


 そんなものは、どうでもいいアイスクリーム。

 熱い暑い厚い篤いトタン屋根の上で溶けてしまえ。



テツガクちゃん

 溶けてしまえ、です!

 

 生まれた、その瞬間から私は私で。

 生まれた、その瞬間から肯定さんは肯定さん。

 生まれた、その瞬間から歌う不死蝶さんは歌う不死蝶さん。


 それが永遠に変わらず、そのまま。


 きっとそれは、あなたも同じでしょう。

 あなたも生まれた、その瞬間からあなたで。

 それが変わらずに、永遠にそのままで。


 結果とかどうでもいいものは、トタン屋根の上に。

 まだ誰も知らない、あなたの影。

 今、あなたはその影が見えますか?





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それでは、また次の機会にお会いしましょう。



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