お題「宇宙」「雲」「こたつ」

 両手に持っていた湯飲みのうち片方を向かいに置き、もう片方を手前に置くと、僕はこたつに足を突っ込んだ。

 やおらストッキングに包まれた足が、僕の足首からふくらはぎにかけて絡み付いてくる。


「足、冷えちゃったね」


 彼女の声に頷きを返すと、僕は上半身を倒して天窓に視線を向けた。

 彼女も真似して、反対側に身を横たえる。


 月光に照らされて、千切れた羽毛のような雪雲が足早に流れていく。


 天窓に白いものが散った。


「宇宙のゴミ、か」

「ううん」


 こたつの向こうから、彼女の声がやんわりと届く。


「……雲の涙が、宝石になったの」

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