第18話 香緒莉side 幸せ旅行

 漣の帰省の間、留守番になりそうだったので、私はねてみた。


 すると漣は移動手段をフェリーに変えて、何とか空きを見つけて、私も連れて行ってくれると言ってくれました。


 嬉しかった、凄く嬉しかったです。


 私は、漣が『個室しか空いてなかった』と言っていたので、なんかワクワクしました。



 初めてのフェリーはすごく豪華で、舞い上がりました。


 そんな時、船の中で漣の会社の樹所喜美さんと偶然会いました。

 漣は少し困っている様に見えました。

 当然樹所さんは、私の存在に少し驚いていた様に見えました。



 ――この人はきっと漣の事を好きなんだわ――


 女の直感でした。


 これは先制攻撃しかない!と思い、まず同居している現実を伝えました。

 案の定、樹所さんは私に喰いついてきました。


 漣が生理現象で中座して樹所さんと二人きりになったので、私は漣に対する思いの全てを、これまでの経緯と共にすべて樹所さんにお伝えしました。


 漣が戻って来た頃には、樹所さんの造り笑顔の裏側に『敗北』が見えました。


 そして『勝ったわ』と私の中の悪魔が笑っていました。


 間もなく樹所さんは退散していきました。


 そんな様子を漣は不思議そうに見ていました。




 部屋に二人で戻ったら、漣から何があったか問われ、


 私の中の悪魔が天使に変わり、漣に対する思いの全てを伝える事が出来ました。


〈大好き〉の気持ちに確実な自信がある事を伝え、『プロポーズを待っている』とも伝えられました。


 漣は少し考えてから、私の事を『大好き』と言ってくれました。

 プロポーズも、『たぶん将来はするだろう』と言ってくれました。


 のお陰で、お互いの気持ちを確認出来て、結果的には凄く嬉しかったです。



 そしてその夜に、私は漣ににしてもらいました。


 漣に『ありがとう』とお礼を言った後、


 又私の悪魔が囁きました『これで、私の勝ちだわ』






 漣の実家はフェリーを降りた地方都市から、襟裳岬の方に車で30分位走った小さな町に有りました。

 この町は漁業が盛んで、ししゃも漁業が有名な町でした。

 でも、漣の実家は漁業ではなく、水田を両親で営む米農家でした。


 実家に着いた時、私はカチコチに緊張して固まっていたみたいです。


 そんな緊張をとかしてくれたのは漣ではなく、漣の姪の陽菜ちゃんと花奈ちゃんでした。

 高1と中2の姉妹で、年齢が近い事も有って、直ぐ友達になれました。



 漣の実家での暮らしは、凄く楽しくて、二泊三日はあっという間に過ぎて行きました。


 その間、私は私なりに、漣のが自然に出来た事が不思議でした。

 帰る頃には、お父さん、お母さん、お姉さん、義兄さん、二人の友達、その全員に嫁としてを頂いた様に思いました。


 二晩共、JK二人とJC一人で二階に寝ていましたが、二晩目に、花奈ちゃんが寝ているのを確認してから、陽菜ちゃんから聞かれました。


「香緒莉お姉ちゃん、おじさんの事大好きなの?」


「大好きだよ」と答えると、


「歳、10個も上なのに?」


「好きになるのに歳は関係ないのが判ったの」


「うーーん、そう云うモンなんだ」



 更に質問された。

「もう、は済んだの?」


「誰にも言わないのなら、陽菜ちゃんにだけ教えるけど」


「陽菜、言わないよ!」


「じゃ、教えてあげる。実は一昨日おとといの夜が初めてだったんだ」

「少し痛かったけど、凄く幸せだったよ」


「あーいいな!私も誰か見つけたくなったよ」


「陽菜ちゃん、可愛いし凄く良い娘だから大丈夫だよ」


「ありがとう。良い出会いがあればいいな」



 そんな話をしていると睡魔が出てきて、自然と会話が終了しました。

 


 次の日の朝、みんなに見送られ、北海道の結城家を後にした。

 

「また来てね、香緒莉ちゃん」と全員から言われ、嬉しくて又、瞼が滲んでしまいました。


 そして、今度来る時は、きっととして来る事を自分に言い聞かせました。


 帰りのフェリーは昼間の時間帯の航海で、ずっと漣と手を繋いで過ごしました。

 漣もその行為は、まんざらでもなさそうでした。

 周りにいる人も知らない人ばかりなので恥ずかしくも無かったみたいです。



 そして夕方青森県に到着しました。

 漣は、船の中で、船を降りてから泊まるビジネスホテルを探していましたが、お 盆の時期なので見つからず、陸に降りてから着いた場所は、私のラブホデビューと成りました。


 その施設の仕様は全部初めて見るものばかりで、驚きばかりでした。


 一番気に入ったのは、大人のビデオでした。

 少しづつでも、私が漣にしてあげられる技術を学べるので、結構見入ってしまいました。



 その夜ふたりは、二回目の営みは、必然的に行われました。


 最初の時より、緊張感が取れて、女の悦びも少し味わえました。


 漣はベッドに備え付けの肩こり等に使うマッサージ器を使い、私の肩ではなく敏感な場所に優しく当ててくれて、今まで体験したことのない悦びも、体験させてくれました。


 それでも、漣が果てる時に『香緒莉愛してる』の言葉を何回も言ってくれました。

 

 一番味わったのは漣の愛情でした。



 それは、これからも変わらないと思います。

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