第6話 香緒莉side レイプ

 小学4年の夏休み、ディズニーランドに家族3人で行きました。

 楽園を満喫いるはずなのに、私は凄く楽しんでいるのに対して、両親は余り楽しそうでないのが気になりました。

 その場所で他人のお兄さんと少しアクシデントがあった事は、特に気にしていませんでした。



 それから間もなくして、両親は離婚しました。

 今考えると、私の初めてのディズニー体験は、私の記憶に最後の思い出を作る目的だったのだろうと思いました。


 私をどちらが引き取るのか私には選択権が与えられませんでした。

 やむなく私の思いとは相反する母に連れられ、母の実家の仙台に越して来ました。

 父の仕事が長距離ドライバーの為、勤務形態が超不規則で4日位家を空ける時もあって、幼い小学生の私と二人だけの生活は厳しいとの父の判断だったらしいです。




 私が小さい時から、父が家に居る時間が少ない事が母にとって寂しかったのか、逆に都合が良かったのかは分かりませんが、母が他の男と遊ぶには都合が良かったみたいです。

 よく知らないおじさんが家に来る度に、母の『香緒莉、公園で遊んできて』の言葉が繰り返されました。

 私が時折、帰って来たお父さんに詳しく話をする様に成ってから、家には誰も来なりましたが、一人で留守番をする事が多くなりました。

 父が居ない夜には、よく出かけて、朝、酒臭い母が寝ている事も多かったです。


 そして母の浮気が父にバレて、離婚に至りました。


 母の実家に戻ってから、母は夜の仕事に就きました。

 そして殆んど帰るのは朝でした。

 家に帰って来ない日もありました。

 そして私は、祖父母と一緒の生活となりました。


 祖父母は優しかったです。

 参観日、運動会、発表会など学校行事には、母は来なくても祖父母は必ず来てくれました。

 贅沢は出来ませんでしたが、必要な物は買ってくれました。

 祖父母が居てくれて、私は本当に幸せでした。


 そんな、ささやかな生活が続いていましたが、

 私が高校1年の時、祖父が他界しました。

 祖母は、深い悲しみの中でも私を大事にしてくれました。


 私は高校2年の時、私にとって初めての彼氏が出来ました。

 その時は恋愛の事がよく分からないまま、初めて体験した告白に、思わず応じてしまいました。


 一寸か弱い感じの彼でしたが、私には優しかったです。

 今では、『三木』と名前を呼び捨てにするくらい恨んでいます。


 私とはクラスが違うので、三木がいじめの対象だった事は知らなかったです。

 私へのレイプは虐めの加害者の悪ガキ3人が計画したそうです。


 その中の1人が私の中学時代の同級生で、中三の時そいつが虐めていた生徒を私がかばって、そいつをクラスのホームルームで告発して、吊るし上げた事を恨んでいたそうです。


 悪ガキ達が三木に命令したそうだ。

 私を彼女にして、少し仲良くなったら体育館器材室に連れて来いと。


 その日は競歩遠足の日で、学校には、いつも遅くまで残っている先生が居ないのを狙っての犯行でした。

 遠足が終わると、三木は『学校に忘れ物をしたから』と言って私に『学校までつきあってくれ』と嘘を言われて、学校まで連れて行かされました。


 それからの行動が不自然でした。


 常駐の警備員が居る出入口から三木だけが入って、警備員から見えない別の入り口から三木が私を校舎に入れて、そして警備員の居る出入口から三木だけが帰ったふりをして、私を入れた死角の入り口から又学校に入ってくる。

 その後警備員に見つからない様に体育館器材室まで連れて行かれました。

『忘れ物は体育館だと思う』と又嘘を付かれ、変だとは思いましたが、その答えはそこに着いたらすぐに分かりました。

 もうその時はもう遅かったです。


 器材室の中には悪党3人が居ました。

「三木、遅かったじゃないか。お前は帰っていいぞ」

 すると三木は走って出て行きました。


 全ての事情がのみ込めた時は、私は恐怖心で震えるばかりで逃げる事も出来ませんでした。


 悪党達は、2人が私をマットに押さえつけ、もう1人が私の着ているものを次々に剥がし、あっという間にブラとショーツだけになった。そしてブラも取られたその時でした。


「何してるんだ、貴様ら」と言って誰かが勢いよく入って来ました。


 赤く光る棒と懐中電灯を持った警備員さんでした。

 後で聞いた話だと、巡回する時間では無かったが、誰かの走る足音で、長年の警備員の勘が働いて此処に来たそうです。


 警察官では無くても、制服姿の侵入にびびった悪党たちは一目散に逃げ出しました。


 あの時、警備のおじさんは、震えている私に自分の着ていた警備服を脱いで、私の肩から掛けてくれて、優しく慰めてくれました。

 制服を脱いだおじさんは、「絶対にあいつらは許さん」と言って、直ぐ何処かへ電話をしていました。


 そして程なく、校長と事務長が現れました。

 学校側は世間体を気にして穏便に済まそうとして、私を言い包めようとしましたが、助けてくれた警備員のおじさんは、「教育者の風上にも置けん」と二人には顔を向けずに大きな声で言ったのが聞こえました。


 そして私に言いました。

「私は退勤時間だから、これから一緒に警察に行こう、私は目撃者だから都合が良い」

 そして被害届は受理されて、4人は逮捕されました。


 後日、複数のメディアと思われるやからが学校の正門前に居た。


 そんな事が有ってから、私はクラスのみんなから上辺では普通の様に見えるけど、みんなから敬遠されがちな存在に成っています。


 そして私も、男性不信に成ったみたいです。






 それからしばらくして、祖母が他界しました。


 凄く悲しくて、一杯泣いたけど、私を守ってくれている最後の砦を失ったようにも感じました。

 高校に入ったお祝いにと祖父が買ってくれたスマホも、祖母の口座が凍結された事によってスマホの引き落としがされず、通話とメールは出来なくなりました。

 一度母に頼んだけど、「そのうち私の口座に変えておくから」と言ったきりです。


 祖父母達がいなくなって、家には私1人で居る事が多くなったある日、祖母の四十九日の日、それは法要が終わると直ぐに始まりました。


 母と母の姉の姉妹による、祖父母が残した遺産を巡っての骨肉の争いです。


 結局、母が現金を多く要求して、私が住んでいる祖母名義の土地と建物を伯母が相続する事で決着したそうです。

 私達親子の居住権に関しては、私が高校卒業する迄は住んでいても良いけど、それ以降は出て行くという条件付きでした。


 私の卒業を待たずに、今からひと月前に伯母一家が引っ越して来ました。

 家族構成は伯母夫婦と大学生の娘の三人でした。

 部屋はかなり多かったので、別に構わなかったのですが、今までそこに無かった『遠慮』」と言う空気も付いてきて、一気に雰囲気が悪くなりました。




 そして又、レイプされました。


 夏休みに入って間もない深夜、みんなが寝静まった頃、

 体の上に重たい物が乗っている苦しさから目を覚ますと、

 全裸の私に被さっている男がいました。

 その物体は獣に豹変した伯父でした。


 不思議とその時は声が出せました。

 2回目のレイプで、慣れていたとは思いたくありません。


「キャーァー」

 と叫ぶと直ぐ口を押えられましたが、その手を思いきり噛んでやりました。

 すると伯父が逆に『痛いぃ』と大きな声を出したその直後に、異変に気が付いた隣の部屋の従姉が私の部屋に入ってきて照明を付けました。


 従姉は『お父さん何やってるの』と罵声を掛けて其の場は終わりました。

 伯父は何事も無かった様に服を着て階下へ降りて行きました。

 幸いな事に、従姉が助けてくれた時はまだ挿入前でした。


 従姉からは謝られました。

 その夜は、従姉が一緒に添い寝してくれました。

 その夜も母は帰って来ませんでした。


 私はベッドの中で、

『もう私の居る場所はこの家に無い』

 と思い、お父さんの居る東京へ行く決心をしました。


 次の日、早速決行しようと、母がお金を置いてある鏡台の引き出しを開けて見ると、千円しか入っていなく、どうしようかと少し考えました。


 レイプ被害が続き自棄やけに成っていた私は、処女をお金に変える一大決心をして、前から気が付いていた従姉の援交サイトを借りようと思い、従姉の留守部屋で従姉のパソコンを開きました。





 そして、運よく親切なおじさんと知り合う事が出来ました。

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