第5話

挨拶をすませ、すっかり昔の関係になれた。

いい意味で。


「ばあさん、もう少しで帰ってくるから、顔見せなよ」

おじいちゃんに胃われて、おじぎをする。


「おじいちゃん、変わってなかったね」

「だから、言ったでしょ?」

かおちゃんに言われる。


変わっていくのは若いうちだけだが、そらが嬉しくもあり、寂しくもある。


「さあ、我が愛するそらくんよ。新しい生活の場へ、君を誘おう」

返事をする間もなく、2000GTは走りだした。


殆ど貸し切り状態。


「でも、この貴重な車をよく貸してくれたね?」

「うん。おじいちゃんは免許は返上したからね」

「不便だろ?」

「やはり、もしもがあるしね。だから殆ど、私のマイカーなんだ」


ふと思った。


「かおちゃんは、車には興味なかったのでは?」

「私も、あれから成長しているからね。興味も変わるよ」

「・・・そう・・・」


やはり、人は変わるな。

良くも悪くも・・・


「そらちゃん、少し寄り道していい?」

「いいけど・・・どこへ?」

「これから、そらくんには働いてもらうから、いろいろと場所の案内」

「OK]


パシリは確定だな。


でも、足はどうしよう?

僕は、原付免許すら持っていない。


「大丈夫。そんなに荷物を持つところではないから」


車は、目的地へと向かって走る。

どこかは・・・知らん!

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そらのうた 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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