第2話


「元気だった?変わってないから、すぐにわかったよ」

サングラスをかけた、女の子が車の運転席から、声をかけてきた。


「かお・・・ちゃん?」

「うん。覚えていてくれたんだ。ありがとう」

忘れようがない・・・


あれ?自動車を運転しているということは、免許を持っている。

ということは、18歳?


「かおちゃん、僕と同じ歳では?」

「知らなかった?私は早生まれだから、学年はそらちゃんよりも、上なんだよ」


知らなかった・・・

でも、この車は?


「トヨタ2000GTだよ」

実物は、初めて見た。

でもこの車は・・・


「あの駄菓子屋の、おじいちゃんに借りたんだ。元気だよ。会いたがってる」

「それは、よかった」

駄菓子屋のおじいちゃん、元気でよかった。


「おばあちゃんは、いないけどね・・・」

「そっか・・・」


他界したのか・・・

それは、悲しい。


「いっとくげど、他界していない。元気だよ」

「でも、いないって」

「村の寄り合いで、旅行に行ってるの。来週には、帰ってくるよ」

「そう・・・」


わけわからない。


「さあ、乗って。新しい生活の場所へ」

「新しい生活?」


その言葉の意味は・・・予想通りだった。

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