そらのうた

勝利だギューちゃん

第1話

列車に揺られて、田舎町へと向かっている。

町というのは、間違っていると思うが・・・


幼稚園の頃、親の都合で親戚の家に預けられた。

それ以来、10数年ぶりの訪問となる。


田舎ではあるが、近くに駄菓子屋があり、通っていた。

おじいちゃんと、おばあちゃん、元気だといいな。


物想いふける。


その場所は、当時は鉄道が開通していなく、最寄駅から車で3時間もかかった山奥にある。


それが、いつの間にか鉄道が開通して、便利になった。

しかも、かなり快適。


「村も変わったろうな」

そう思っていた。


僕の名前は、大黒天。

「だいこくてん」ではない。「おおごろそら」と読む。

名前だけは、縁起がいい。


そこの親戚には同い年の、女の子がいた。

戎香緒(えびす かお)

切らずに言うと、怒られた。


でも、笑顔が素敵な子だった。


今回は、両親の命を受け、そこへお使いに行く。

とても、楽しみだ。


指定された駅から下りて、驚いた。


「変わらない」


全く変わっていなかった。

記憶のまんまだった。

鉄道がひかれた以外は、昔のまんま。

映画のセットで、使えそうだ。


迎えには・・・

来てくれてない。


やはり、ゲームや漫画とは違うか・・・

仕方ない。

歩こう。


場所は、思い出した。

連絡は、言ってると思う。


「そらちゃん」

聞き覚えのある、女の子の声がした。

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