薔薇 モッコウバラ

 見た目は、いわゆるバラではありません。

 どっちかというと、ヤマブキなんかと似ています。咲く時期も大体だいたい、同じくらい、花の大きさも、同じくらい小さいです。多花性たかせいであることも似ています。

 でも種類としては、立派りっぱにバラです。

 他のバラに先駆さきがけて、華やかに咲きます。

 春の使者の一つです。

 色は白と黄、花の形も、一重ひとえ八重やえの二種があります。

 中国原産げんさんで、黄色品種にはとげが全く無いので、扱いやすいです。

 残念ながら、一期咲いっきざきです。黄色品種には香りもありません。

 一般的なのは黄色の八重です。

 地植じうえにすると、やぶみたいになります。

 大きくしたくなければ、花が終わったらすぐ、ざざっと刈ってしまうことです。

 鉢でも、大きさに応じて咲きます。

 これも夏、ぼさぼさ伸びるので、花が終わったら、忘れず刈ってください。

 それでもぐんぐん伸びるので、秋になったら、長くなったぶんたばねておくといいと思います。

 もっとコンパクトに育てたかったら、秋に古い枝を切ってしまってもかまいません。花は少なくなるものの、春になったら又、枝が伸びて、若々わかわかしいあざやかな緑の姿で、華やかに咲きます。

 病気にもなりません。

 虫も特に付きません。

 お日さまが好きです。

 よく見かけるのは黄色の八重ですが、一重のものも、捨てがた風情ふぜいがあります。

 八重に比べると、花は少ないです。

 さびしげで清楚せいそな花を咲かせます。

 枝もあんまり伸びません。

 コンパクトなので、小さな鉢で十分です。

 秋には小さな赤い実が成ります。

 小鳥たちが来て、その実を食べます。

 驚かさないよう、こっそり見るのが楽しみです。

 うちの一重の鉢の根元には、イモカタバミが生えています。一重の花が終わると、ピンクの花が長いこと咲きます。

 玄関先に黄色の八重を植えるのが流行はやったこともありましたが、最近、あまり売っているのを見かけません。

 日本人のいつものくせで、一時いっとき流行りゅうこうで終わってしまったのでしょうか。

 だとしたら、ちょっと勿体もったいないです。

 丈夫じょうぶ手間てまもかからず、可愛かわいい花です。

 

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