秋、ホトトギス

 国語の授業で習った、ような……?

 鳥……?

 大抵たいていかたは、なんのことやら、おかりにならないはず。

 じつは、私もそうでした。

 山野草さんやそうの一種で、ユリぞくします。

 花に付いているむらさき斑点はんてんが、鳥のホトトギスの胸にある模様もように似ていることから、この名が付けられたそうです。

 裏のから、近所の人が、って持っていっているのを見たのが、最初でした。あんなの持ち帰って、根付ねづくんだろうか、と思いました。

 自分で育ててみて、その丈夫じょうぶさに驚きました。

 置き場所は基本きほん何処どこでもOKです。

 日陰ひかげ勿論もちろん、ガンガン日が当たる場所でも、大丈夫だいじょうぶです。ほんとは日陰がいいのですが、カンカンりの夏の日差ひざしで弱っても、秋になれば、いつのにか回復して、ちゃんと花を咲かせてくれます。

 水りも、あんまり気をつかう必要はありません。肥料も適当てきとうかまいません。

 冬になったら、枯れた地上部を切り、鉢だったら、った土をしてやったり、もし根が回っていたら処理して、そのまま外に放置ほうちします。雨でも雪でもヘッチャラです。

 春に又、復活ふっかつします。

 鉢も、大きければ大株おおかぶになりますし、場所が無くて、どうしても小さい鉢しか用意できなければ、それなりに咲いてくれます。

 地面にそのまま植えてもOKです。

 ユリの仲間は、雑草ざっそうみたいに生命力が強くて、すごいです。

 花持はなもちも良いです。

 一つ一つは小さくて地味じみな花だし、斑点はんてんも、最初はちょっと気味悪きみわるかったのですが、邪険じゃけんにされているわりに丈夫で長生ながいきなので、段々だんだん慣れて、かわいくなってきました。

 よくよく見ると、小さいなりに、ちゃんとユリの花の形をしています。

 らんに似て、気品きひんもあります。

 つい洋風ようふうかたむきがちな庭に、和の気配けはいただよわせる、いきな花です。

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