秋、ハイビスカス

 表題ひょうだい間違まちがってるんじゃないの?と、お思いでしょう。でも、これで合っているんです。

 南国なんごくの花、というイメージのハイビスカスですが、日本の夏は苦手にがてです。

 夏、海外旅行から帰って、日本の空港に降り立つと、押し寄せる湿気しっけ熱気ねっきてられて、げんなりします。日本の夏のきびしさは熱帯地方並み、世界でも有数ゆうすうだと思います。

 ハワイでは街路樹がいろじゅわりに植えられているハイビスカスですが、ハワイの風はさわやかで、夜は涼しいです。がたなどは、一枚、羽織はおるものが必要なくらいです。

 だから、季節はずれに思われるかもしれませんが、ハイビスカスは、日本では、秋の花です。

 値段は手頃てごろで、様々さまざま見応みごたえある花が咲き、水りもむつかしくなく、花の時期には特に虫もつかないので、素人しろうとにも扱いやすい、良い木だと思います。

 ただ、私のように、無農薬で冬越ふゆごしさせようと思ったら、結構けっこう面倒めんどうです。

 日本の冬には耐えられないので、外気がいきが十二度を下回したまわったら、家の中に入れてやってください。

 外国の花のせいか、季節感も何もなく、温度さえ本人(木?)のお気に召せば、真冬まふゆだろうがなんだろうがかまわず咲きまくりますが、薬を使わないと、胡麻ごまみたいに真っ黒なアブラムシが、つぼみや若葉に点々てんてんと付きます。

 買ってきた最初の年は、真冬に咲かせて喜んでいましたが、アブラムシとの戦いに疲れ果てて、最近は、家の中に入れる前に、枝や葉を切って丸坊主まるぼうずにしてしまいます。それでも、冬の間に伸びてくる芽や若葉にしつこくむらがっているので、見つけ次第しだい、洗面所に持って行って、水をジャバジャバけて洗っています。

 芽がいたむ?

 心配ご無用むようです。

 いくらでも生えてきますし、春になって外に出したら、テントウムシに食べられたりして、アブラムシどもは、いつの間にか姿を消します。

 南国の木なので、寿命じゅみょうは短いです。それでも、鉢植えで三年かそこらは楽しめます。

 ちょっとイメージとは違うかもしれませんが、持っていてそんはない花だと思います。

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