第5話 イヌ

 コンビニで買った、新しいパンツに履き替えた私の前に現れたのは……

「今こそ下克上の時だワン!」

 イヌだった。しかしいい加減私も慣れてきた。奴らはイってしまえば死ぬ。ならばこちらから先手を取ってしまえ。

 私はさっとイヌのペニスに手を伸ばした。スコスコスコ。 唾液をたっぷりつけた手で、高速の手コキを開始する。 処女の私に、どうしてそんなことができるのかは、ツッコまないでもらいたい。

「ああ……それだめ……ワン!」

 射精の恍惚に震えているイヌを後にして、その場を去ろうとした私の手を、イヌの手ががしっと掴んだ。イヌは不敵に笑い

「ふっ……僕らの生態を忘れていたようだワン」

 しまった! イヌは三回に分けて射精するんだった!

 イヌが私にのしかかってくる。とっさに私は、太ももでイヌのペニスを挟んだ。カクカクカクっと、ピストン運動のように腰を動かす。幸い、イヌのペニスは、さっきの射精でベトベトになっている。

「……ワン!」

 イヌが二回目の射精をした。処女の私がどうして上手にスマタができたかについては、くれぐれも聞かないでもらいたい。

 しかしイヌの射精は、まだ一回残っている。私は意を決して、まだ快感に震えている犬のペニスを口にくわえた。ひゃひゃら(だから)、ひょうひてひょひょのわたひが(どうして処女の私が)、フェラとかひぇひるのかふぉか(フェラとかできるのかとか)、ふぁのむふぁらふぃふぁふぁいふぇふぉふぁふぃふぁい(頼むから聞かないでもらいたい)。

「……アオーン!」

 遠吠えと共にイヌは三回目の射精をした。ぺっぺっ。私は口の中から生臭い精液を吐き出す。動かなくなったイヌを後に、私はその場を逃げ出す。

 処女は守り抜いたけど、なんだか大事なものを失ったような気がする。でも気にしない(泣)!

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