第4話 ニワトリ

 必死で逃げ回っているうちに、いつのまにかニワトリ小屋に来ていた。

 あ、なんとなくパターンが読めてきた。

「コケーッ!」

 今度のイケメンには大きなトサカがついていた。ニワトリだな。

「ブロイラーとして人類に貪り喰われた恨み! 劣悪な環境で飼育され、屠殺された恨み! 今こそ人類に晴らす時が来た!」

 逃げようとする私を、鋭いキックが蹴り倒した。さすが闘鶏に使われるだけのことはある。

「地上の覇者になったら、今度は人類をブロイラーにしてやる!」

 スカートがめくり上げられ、パンツがビリビリと毟り取られた。やばい、こいつマジだ! 私は観念して目を閉じた。鋭い破瓜の痛みが、私を襲……わない?

 恐る恐る目を開けると、ニワトリはなぜか私の股間にケツを押し付けて、必死でもじもじしている。

 そうだ! ニワトリのオスのペニスはほとんど退化していて、奴らは総排泄腔を押し付けあって交尾するのだ!

 やがてニワトリは、私の膣にペニスを挿入できないまま、静かに射精して命を落とした。

 ぐすん。とりあえず、コンビニで新しいパンツを買おう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る