第3話 パンダ

 どこをどう走ったものか、私は竹やぶに来ていた。竹やぶで私を待っていたのは……

「……待ってたパンダ」

 今度のイケメンは目の周りに黒いクマがある。なるほど、パンダか。

「僕の可愛さに抵抗できるパンダ?」

 た、確かにかわいい。動作の一つ一つが破壊的なまでに可愛い。

「……かかったパンダ!」

 一瞬で私は、完璧なマウントポジションを取られていた。し、しまった! こいつら、なんかの拍子で笹を食うようになっただけで、基本的には熊なのだ!

「観念するパンダ……」

 ああ、私の貞操と人類の運命もこれまでか……パンダの爪が私のスカートを引き裂か……ない?

パンダは私の股の上で、空中に向かって腰を振っている。

「……えっと、何を?」

「お前を孕ませているパンダ!」

 思い出した! パンダの人工交配が大変な理由の一つは、こいつら、教えてやらないと、セックスの仕方が分からないんだった! パンダの交配のために、動物園ではわざわざパンダ用のAVを作っているという。

 私は自分の体の上で、パンダが腰を振るに任せた。

「うっ! ……こ、これで……」

 私を孕ませたと確信して満足気に死んだ、哀れなパンダを後に残して、私は精液でベトベトの制服の着替えを探すべく、竹やぶを後にしたのだった。

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