第6話崩壊6

「経理部長は?」

「朝から顧問と登記に出かけています。資金繰り表を頼んでいたのだが?」

「聞いていません」

 冷たい返事だ。

「副社長は?」

「証券会社に出かけています」

「分かった。もういい」

 私は部屋を出るとマイを呼び出して一心寺の喫茶店に行く。

「久しぶりですねここ」

 彼女は躁鬱が激しかったので私がここで話を聞いたことが何度も会った。

「カコは広島に帰ると言ってた。最近仕事はどうだ?」

「昔は楽しい会社でした。でも今は楽しくない」

「なぜ?」

「上場ですべて新入りの副社長が規則を作っている。専務も最近は仲間はずれにされている」

「でも話をしない」

「解雇されると思っている」

「なぜ副社長の言うことをみんな聞くのだ?」

「今度2つの会社に分けられる。気に入られないものは上場の会社に残されないらしい。いつも外で会議をしているよ」

「マイも役員なんだぞ。副社長と誰が集まっている?」

「顧問、経理部長、開発部長に次クラスが2名、東京支社長も仲間だと」

 何を考えているのだろう。




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