第3話崩壊3

 銀行の部長が馴染みの北新地のクラブと会う。もう3年の付き合いだ。

「どうだ上場の方は?」

「報告では2か月後にOKだと言うことです。そちらは役員の話は?」

 彼はベンチャーの融資では有名な西日本部長だ。この春に役員に昇格予定だ。彼とは持ちつ持たれつの付き合いで私は力のあるベンチャー企業を紹介してきた。その代り優先的な融資をしてくれる。この信用で他の銀行も相当の融資を借りている。すでに売上年商50億に対して60億の借り入れになっている。これは元銀行員の私の戦略だ。

「当確と言うところだな。それと君のところのあの融資審査システム採用決まりだ」

 これは本業のIT事業の一つだ。これは点数で企業の格付けをするシステムだ。

「購入が決まれば3億の初期費用とランニングが月に2千万になるな?」

「特許はこちらにありますから他の銀行にもシステム名を変えて売りますよ」

「約束だからな。だがこの事業は上場チームに教えているのか?」

「いや、上場後に株価が下がりだしたら発表する。それより10億の融資の方は?」

「問題ない。でも何に使う?」

「これは前にも話していたが、私と頃から1千万株を持っている会社あるだろう?」

「ああ、花のショップ事業をしている女社長がいたな」

「あれは前の会社の部下だった子だ。あの会社がいよいよ全国展開する。ネット販売を土台とした新規事業だよ」

「君はなぜ一人で新規事業をやるのだ?」

「うちの会社はまだまだこれからの力だよ。任せられるとしたら副社長くらいかな。上場が済んだら彼女にチームを作らせる」

「気をつけろよ。女は魔物だよ」







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