初めての戦闘


「うおぉ⁉」



その背丈が酷く小さい化物は裕太に斬りかかってくるが、咄嗟に交わして回避する。



「なんだこいつら⁉」



その緑の化物はファンタジー物によく出てくるゴブリンと呼ばれる怪異に酷似していた。




「もう異世界確定じゃねぇか‼」




裕太は怒声を上げる。

ゴブリン達はそんな裕太を尻目に攻撃を仕掛けてくる。

だがその攻撃を華麗に交わし、不思議なくらいに全て当たらない。



(ここに来てから体の動きが軽いな? やっぱりあのキャラシ道理になってるのか?)



だったら......と裕太はゴブリンの一体に蹴りかかってみる。



ゴブリンはガギァ‼ と言う悲鳴を出して数メートル吹き飛び、ちょうど岩が出っぱてるところへ頭から着地する。

 ゴブリンは頭がかち割れ、内容物と緑色の体液が辺りに散乱する。

 普通の人間なら吐き気を催す光景であろう、しかし裕太は不思議とそれに何も感じなかった、精神力が最大値の18であるからだろうか。



「ウガァァァ‼」



仲間を殺された怒りか、残った三体のゴブリンは同時に襲いかかってくる。




正面から突っ込んできたゴブリンを手をクロスして防御する。

 ゴブリン鉤爪が腕にめり込んで血が溢れ出す。



もう二体のゴブリンは足に噛みついてきたり、肩に噛みついたりしている。



「うぐぅ⁉」



今まで感じたことないほどの痛みに意識を失いそうになるが、その意識はある時を境にはっきりとして行く。

これも精神力が関係しているのだろうか。



「うりゃぁぁ‼」



裕太は腕に絡み付くゴブリンを力任せに振りほどく。

 そして足に噛みつくゴブリンに拳を降り下ろした。



頭がかち割れ先ほどと同様に内包物が溢れでる。

そして肩に噛みついているゴブリンを無理くり引き離して蹴り飛ばす、絶命には至らなかったがかなりのダメージを受けていた。




 そして裕太は確信した、蹴りで子供大と言えど、それを数メートルも吹き飛ばし、素手で頭をかち割ることが出来るのだ。

 そして裕太は確信する。



   間違いない、あのキャラクターシートの性能になっているとーーー。




「ギャギャア」

「ガギャア」



さすがに劣勢だと思ったゴブリンは逃走していく。




「助かったのか……」



裕太が安堵した瞬間に、体中に痛みが走った。

体を見てみると腕はズタズタになり、肩や足からは血が溢れでている。



「いてぇ……」



ズキズキとした痛みが裕太を襲う、だが耐えられないほどではない。



「こんなゴブリン見たいな化け物がいる平原においそれと何時までもは入れないな……何処に移動しないと」



裕太は徐にstatusを開く。



そこにはHPの表記が18から16へと減っていた、ダメージを受けたからであろう。



「HPが減ってるって事はこのステータスはやはり俺と連動しているってことか……」



裕太はこれで確実にこのステータスが自分のものだと確信する。



そしてステータスの下に追加であることが書かれている事にきずく。



マーシャルアーツ5



ステータスの下側にただそれだけ書かれていた。



マーシャルアーツとは本来は武芸は武術を表す言葉であるがインビンシブルでは戦闘慣れしているかどうかの技能である。

 恐らくは先程の戦闘で身に付いたのだろう。



「どっか休めるところを探さないと……」



裕太は人気のあるところを求めて歩き出した。

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