20XX年 第十二話 プレゼンバトル
無人島の山頂に、巨大な施設がある。プレゼンバトルの為に建てられた施設でメイン会場だ。それを中心にして、西側の麓に綾が率いるバイテクチームの居住施設があり、東側の麓に和也が率いるロボテクチームの居住施設があり、南側の麓に審査員や警備員などの関係者用居住施設がある。審査員はどういった方が名を連ねているのか、全く知らされていない。また、終始、審査員の顔は拝むことはできないようになっている。
「デザインして組み立てるというやり方は古から続いていますが、その部品は変わり続けています。バイテク製品の部品は、植物遺伝子がメインです。ヒトの遺伝子は使用していません。また、バイテク製品は、植物の光合成で作られるATPエネルギーで動きます。枯渇することもなく危険を伴うこともない、持続可能なエネルギーです」
バイテクチームの先行で始まった一日目のテーマは、家電や住宅設備などの生活必需品関連分野で、綾のこの発言からプレゼンバトルは幕を開けた。
会場は広い体育館に似ている。床は天然の土で、対角に二カ所、野球場のベンチに似た場所が設けられていて、バイテクチームとロボテクチームがそれぞれ座っている。彼らだけで他には誰もいない会場で、全てのプレゼンバトルは行われ、審査員は別室で、会場に配置されている複数のカメラから送られてくる映像を見ている。
二日目のテーマはペット関連分野。三日目のテーマは介護関連分野。そして、四日目のテーマである警護関連分野で、投資家ムサシの絶大な権力が垣間見られた。
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