第三の手稿
わたくしは夜半、轟く胸を押さえつつ、これまでの経緯を書き記しながら、来訪者を待っておりました。ドクター・ロンフルマンのお指図で乗り込んできたのは四人の屈強な男どもで、城の下男と見紛う扮装の彼らは各自、馬を木に繋ぐと、テキパキと作業にかかりました。警備の関門は
彼らはコンスタンティン様のご遺体をシーツに包んで運び出しました。一人だけ
わたくしは燭台を捧げ、他の三人について庭園へ下りました。僅かな明かりしかないにもかかわらず、慣れているのか、一同は驚くほど手際よく秘密の花園をシャベルで蹂躙し、薔薇の株を掘り起こして、あっという間に
ロンフルマン先生がお考えになったのは、証拠を秘匿して、何ゆえかは定かならねども――ご一緒か、あるいは別々のご事情でか――ともかく、ご
ですから、当初は共に葬る気でいたあの指環をグッと握り締めたまま、作業に立ち会いました。とはいえ、後日どなたかに見咎められては
ああ、夜目にも美しい紅薔薇の群れが風を受け、わたくしを嘲笑うようにざわめき、揺れています――。
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