Vol.6 わがまま?
将来の話。
無難で、平和に生きられる道に行くなら、今動くべきだけど、
自分のやりたいことを貫きたいなら、焦らずもう少し待つべきなの。
周りがどれだけ先に進んでゆこうと、私だけは、まだここにいなければならない。
季節が巡って、周りでどんなに羨ましい歓喜の声が上がっても、
私はまだ、スタートラインに立つこともできないでいるのよ。
私がこれから進みたい道は、そういう道。
このご時世、平凡と安寧を確かにすることが、どれだけ望ましいか。
家族に心配をかけず、小言を言わせず、ひとつのNGも出さずに生きてゆくことが、どれだけ素晴らしいと評価されるか。
そんなの、私がいちばんよくわかってる。
わかってるから、いちばん申し訳ないと思うし、いちばん怖いと思ってる。
好きなことをして食べていきたいだなんて、甘えてる。
そう言われてしまったら、それまでかもしれない。
でも私だって、生半可な気持ちでこの選択をしようとしてるわけじゃないんだよ。
迷っているのは、意志が弱いからじゃなく、どれだけ大きな賭けに出ようとしているのか、自覚があるから。
お願い。
いま、私が抱くこの熱意を、わがままと呼ばないで。
あなたから見ればふざけてるかもしれないけど、私はいたって真剣だし、
あなたにとっては夢物語でも、私にとっては実現させるべき計画なの。
だけど、
あなたが放つ何気ない一言で、簡単に壊れてしまうくらい、
脆いのが現状なんだ。
あなたは、あなただけは、私の味方でいてほしいの。
いつだって、笑って背中を押してほしい。
私以上に、私のことを信じていてほしいって、思ってる。
…これって、わがまま?
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