第106話【頼み事】
放課後に部室に行くとそこには舞と司がいた。
「よっ」
「おぉー、涼介久しぶり!」
舞はこちらを見るなり笑顔でそう言った。
「久しぶりだな」
涼介は今緊張していた。
なぜなら舞に文化祭で舞のクラスの有志として出させてくれと頼もうと思っていたからだ。
「涼介と蛍はどうしたんだ?」
「あの二人は秘密のデートがあるんだって」
放課後に二人で出掛けているんだろう。
というか、涼介は前もって凛華に言われていたためこのことを知っていた。
一緒に帰れないから他の女の人と帰っちゃダメだと念押しもされた。
「そうか」
話すことも無くなったので、全員がスマホをいじっている状態だった。
そう言えば、この3人だけってのも新鮮だな。
涼介はほとんど部活に来ないし、行ったとしても凛華や蛍がいる。
だからこの3人だけなのは随分久しぶりだった。
「なにか飲むか?」
会話をする流れにするためにそう提案する。
「私紅茶!
温かいのね」
「僕も紅茶かな
でも、涼介がやるなんて珍しいね」
「そうか?
まぁ、スマホの充電が無かったから充電を待っている時やることないからな」
もちろん嘘だが徹底した演技をするため、充電器を取りだしスマホを充電する。
その後3人分の紅茶を用意した。
「いやぁ、こうしてお茶を飲みながらゆったりとしてると落ち着きますなぁ」
「どっかのおばあちゃんかよ」
狙い通り会話が始まった。
「ぴちぴちのJKでーす!」
目のところで横向きのピースをしてアピールをしていた。
「ぴちぴちって使ってるのに歳を感じるな」
「え!?
そんなことないでしょ
そうだよね司?」
「うん、舞はちゃんと女子高生だよ」
「ほらね!
司だってそう言ってるもん」
「いや、司はは優しいから誰にでもそう言うだろ」
今から頼み事をしようとしているのに、思わず喧嘩腰になっていた。
「まぁまぁ、実際時が過ぎるのは早いと思うよ?」
そのことを悟ってか司が間に入ってくれた。
「だな、2年生になったと思ったらそろそろ文化祭があるんだもんな」
「それは涼介がぼーっとしてたからじゃない?」
「そんなことねぇよ
俺だってぼーっとしてない時くらいあるぞ」
「ぼーっとしてることは否定しないんだね」
三人で笑っていた。
「文化祭と言えば、舞のクラスは何をするんだい?」
そろそろその話題を切り出そうとしていたところで司が言ったので思わず驚く。
「私のクラスは漫画喫茶をするよ」
やはり、喫茶店とは王道だった。
まぁ、やりやすいか。
「体育館の出し物の方は何をするんだ?」
「告白祭りって言って自分の思いを全校生徒の前で言うっていうものだよ
参加者絶賛募集中でーす!」
「なら俺が参加してみようかな」
ここぞというタイミングで涼介は言いたかったことを言った。
「おっ、珍しいね
何を懺悔するの?」
「そうだな、実は舞抜きで何回か出かけたことが………」
「わー!わー!
ストップストップ
それ以上は聞きたくない」
舞は耳を両手で塞いでいる。
「冗談だ」
そう言うと手を下ろしていた。
「よかった
私だけハブられてるのかと思っちゃったよ」
完全に安堵した様子だった。
それにつられて涼介も安堵する。
言いたいことを自然と言えたからだ。
「みんなで遊ぶ時はちゃんと舞のことも誘うよ」
「だよねー!
ハブるとしたら涼介の方だよね」
「おい!」
「ははは
でも、涼介が何を言うか気になるよ」
「私も!」
「そこは……お楽しみってやつだな」
「えー、つまんない
まあ、涼介は1番最後にしとくね」
「なんでだよ」
その後は三人で雑談をしていた。
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こんにちわ
昨日は更新できなくてすみませんでした。
ちょっと体調を崩していて無理でした。
この御時世ですので皆様はお気をつけください。
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