第31話【お宝探し】
凛華は深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
さて、先輩には「くつろいでおけ」と言われましたが「どこで」とは言われてません。
つまり、やることは1つでしょう!
凛華はリビングを出ると2階に上がった。
さぁ、
2階を上がってすぐの所にトイレがあった。
廊下はL字型になっており、扉はトイレを含め5枚あった。
残りの扉の数は4枚……確率で言ったら25%ですか……あんまり人の家を漁りたくないのですぐに先輩の部屋を見つけたいですね……
ここな気がします。
凛華は奥の扉の右の部屋を開けた……。
◇◆◇◆◇◆
結局涼介の部屋はトイレから1番近い部屋にあった。
なんとか2枚目で当てることが出来ました。
さぁて、次はエッチな
凛華はまず机の引き出しを開けた。
そこには使い終わったノートが詰まっていた。
意外です……
ノートの中身を見るとそこにはビッシリと文字が書かれており、重要語句の意味もわかりやすく書いていた。
それを見ただけで、凛華が習ったことの無い単語でも理解できるほど、分かりやすかった。
先輩ってあんなやる気なさそうな顔して案外頑張り屋さんなんですね……。
きっとそれはこうして部屋に入らなければ知ることのなかったものだろう。
んー、ちょっと気が削がれて、罪悪感が押し寄せてきちゃいましたけど、次はベットの下です。
エッチな
布団はシーツが少しズレているものの綺麗と言えるほどの状態だった。
さぁて……えっちな
凛華はベットを捲った。
◇◆◇◆◇◆
涼介がシャワーを終えて、リビングに戻るとそこには誰もいなかった。
「あいつまさか……」
今日の凛華の行動から凛華が何をしているのかはすぐにわかった。
そのため涼介はすぐさま自分の部屋に向かった。
案の定閉めていたはずの自分の部屋の扉が開いていた。
「はぁ……」
涼介は溜息をつきながら静かにゆっくりと近ずいて行った。
「何してるんだ?」
「うわぁっ……って先輩ですか…」
凛華は涼介を見た途端落ち着いた。
「いや、なに落ち着いてんだよ、勝手に部屋に入るなよ」
「なにって先輩に言われた通り(先輩のベットの下に手を突っ込んだ状態で)くつろいでいたんですよ」
「あぁ……場所指定しなかった俺が悪いのか…?」
普通ならその場でくつろぐのが当たり前のため完全に油断していた。
「とりあえず、戻るぞ…」
自分の部屋に誰かを入れたくはないため、涼介はすぐに出ていくように言った。
「えぇ~まだ先輩のえっちな
「いや、そんなベットの下なんかに置いてねぇから、早く戻るぞ」
「あるということ自体は否定しないんですね」
「……いいから戻るぞ」
涼介は凛華の襟元を引っ張った。
「ちょ、ちよっと、服伸びちゃいますよー」
凛華は足と手をパタパタとさせたが涼介は気にせず部屋の外まで引っ張った。
別に俺の服だし俺の自由だろ……
それに、俺も男子高校生だし、まぁ、1つや2つくらい見られちゃ困るものくらいあるよね……。
◇◆◇◆◇◆
「先輩の見つけられなかったのは悔しいです」
「まだ言ってるのかよ…」
凛華はわざとらしく大きなため息もついて見せた。
よし、こいつはもう二度と部屋に呼ばん。
「そーいえば、今お昼だが何か食べるか?」
時刻は13時と絶賛お昼と言うよりはもうすぐお昼が終わるという時間になっていた。
「それなら、私が作ってもいいですか?」
凛華のその提案は涼介にとって願ったり叶ったりのものだった。
「いいのか?」
「はい、ちょっと冷蔵庫見せてもらってもいいですか?」
◇◆◇◆◇◆
先輩の家の冷蔵庫には不思議なことに普通の調味料やお肉の他にバターやバニラエッセンスなどお菓子に使う調味料まで用意されていました。
誰かお菓子作りする人がいるのでしょうか。
「これなら……パンケーキでも作りましょうかね」
「おっ、いいな
俺も何か手伝うか?」
「いえ、先輩は座っててください
シャワーとか使わせてもらったお礼がしたいので」
「あぁ、わかった」
それから30分程して、パンケーキが完成しました。
トッピングに生クリームや缶詰のフルーツなどをトッピングしたものです。
「伝え忘れてたが、俺フルーツ食べれん……」
そんな人がいるなんて、私は想像もしてなかったです。
「えぇ、美味しいですよ?」
「ほんとに、無理なんだ…」
涼介はガチなトーンで食べることを否定した。
「はぁ……わかりました
ならフルーツは私が食べます」
「すまんな……」
2人は対面する形で座っているためフルーツを凛華の皿に置くことは簡単に出来た。
あ、いい事を思いつきました❤
◇◆◇◆◇◆
「先輩、食べてあげる代わりに私に食べさせてください❤」
凛華は口を少し大きく開き目をつぶって、涼介が食べさせてくれるのを待った。
「お、おい、自分で食べろよ……」
今の凛華はいつもとは髪型ではなく、料理の時に邪魔になるからなのか後ろで1本に纏めていた。
そのため首筋まで良く見えて、なんだかいつもよりエロく感じた。
たぶん食べさせないとずっとこの体制でいるのだろうと思うと、それもそれで危険だと思い食べさせるしかないと思った。
涼介は深呼吸すると初めに苺を手にした。
「い、行くぞ」
「早くして下さいよぉ〜」
涼介はゆっくりと苺を凛華の口へ近づけていく。
ヘタは取ってあるため、そのまま食べても大丈夫だが、別な意味で大丈夫ではなかった。
なんかイケナイコトしてる気分になるな……
ただ食べさせているだけと心の中で何度も呟き自分に言い聞かせていると凛華は苺を食べ終わったのか、次のものを要求してきた。
持ってくれ俺の欲望………
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